飼育員ブログブログ

2021年1月27日(水)「老い」にあわせて・・・

アカゲザルのおばあちゃん,イソコは現在42歳で超後期高齢者です。

これまでも十分ヨボヨボしていましたが,この1年で急激に衰えが見られるようになりました。

今まで登れていたところが登れなくなったり,暑さ寒さに気づきにくくなったりしています。

老猿ホームのある類人猿舎は,ゴリラやチンパンジー仕様になっていて(その名の通り!),グラウンドへの出入口が高いところにあります。イソコ達がグラウンドに出るにはかなり高い位置まで登らなければならず,落ちてケガをするかもしれません。
また,暑くて部屋に戻ろうと思っても登れない・・・となるとまた熱中症などになってしまうかもしれません。

そこでこれからのイソコにとってどうするのがベストか(安全性やイソコのQOL,残りの2頭のQOL)考えました。
一番の理想はこれまで通り,ビートとゴンゴと老猿ホームで暮らし,自由にグラウンドに出て日向ぼっこや毛づくろいをしあってもらいたいところですが,イソコの安全のために対応の段階をひとつ上げることにしました。

さっそくグラウンドへの出入り口に続く屋内のスロープの下の方を切り,イソコだけ登れないようにしました。ビートとゴンゴはまだ少し高くても上り下りができるので,たまにイソコのいる床に降りてきたり,グラウンドに自由に出入りしたりできます。


お散歩大好きなイソコには職員が同行できるときに,キャリーに入ってもらってグラウンドにお散歩に行ってもらうことにしました。

そして来園者のみなさまに御理解,御協力をお願いしたいことがあります。
イソコは屋内の床面にいる時間が増え,ガラスの前にいることも増えました。
みなさんと目線があいやすくなり,判断力が低下してきているので職員と間違えてみなさんに近づいてくることもあります。
ガラスを叩いたり,イソコの目の前で大きく手を振ったりするなど,イソコに気づいてもらおうとされる方をよく見かけます。
イソコができるだけ混乱しないように,過度な刺激がないように暮らしてもらいたいと考えています。
そこで少し離れた場所から見ていただくことにしました。

映り込みもあるので,御覧になりにくいかもしれませんが,どうか御理解,御協力をお願いいたします。
普段の様子は京都市動物園公式SNS等で随時発信いたしますので,そちらをぜひ御覧ください!

これからさらに衰えは進み,対応のレベルを上げる日が来るかもしれません。
この状況が少しでも長く続きますように…!

できるだけ長く「アカゲザルらしく」,「イソコらしく」暮らしてもらえるように,見守ってください^^


老猿ホーム担当  板東 はるな