飼育員ブログブログ

2020年12月1日(火)冬季も夜間放飼にチャレンジ

京都市動物園といえば
「近くて楽しい動物園」というコンセプトのもと
施設にも色々な工夫を施していますが,
裏を返せば「そんなに広くない動物園」でもあります。
正直に書きすぎてますかね…f^^;)

そんな中でも動物たちの暮らしを良くしていこうと,
職員全体で「動物福祉」にも取り組んでいます!
私が担当するブラジルバクでは,昨年から夜間のグラウンドへの
放飼に取り組んできましたが,今年は冬季にも夜間放飼ができるよう
部屋に一工夫を加えました。
それがこちら↓

食品工場などでも使用されているビニールシートで寝室と
グラウンドの出入り口を仕切って,風が吹き込ませずに
室温を暖かく維持できるよう設置してみました!
こういったものを設置する際に大事なことは,効果があるかは
勿論ですが,動物にとって危険とならないかが重要です。

ミノリとカルロスは問題なく過ごしてくれるのか…
ビニールシートを食べたりしないか…
ちゃんとビニールシートをくぐって出てこれるのか…

果たして!?

「呼んだ~?」byミノリ

はい,大丈夫でした♪(^▽^)/
カルロスは少し時間がかかりましたが,ミノリは最初から
気にせず出入りしました♪

実際,夜間にグラウンドを使えるようになって
・好きな時間に外をウロウロ
・好きな時間にプールでトイレ
・好きな時間に隣のバクとコミュニケーション
ができるようになりました♪
どうやら夜の間に3回程度活動的になる時間帯があるようで…

夜中の2時に監視カメラに映ったミノリです↑
外に設置した牧草を食べ,水を飲んだ後のワンシーンです!
特にトイレの回数が1日に2~4回に増えたのは良かったです♪
(夜,部屋にいた時は1日1~2回でした。)
少し難しい話になりますが,バクは後腸発酵動物とされており
大量の植物性のごはんを食べることで体を維持しています。
そのため,うんちもたくさん出るのですが,腸内にうんちが
たくさん残っていると体調面や食欲に影響してきます。
トイレの回数が増えたことで,ごはんを残す量が減り,
うんちの状態も良い形で安定するようになりました!
どうしても出したいときは部屋ですることもあったのですが
やはりお気に入りのプールでスッキリしたいようです♪

さぁいよいよ冬本番となってきましたので,室温の変化や
バクたちの体調をチェックしながら,夜間放飼の取り組みを
続けていきます(^^)
寒くなると部屋から極力出なくなるのか?など,行動の変化も
見ていけたら良いなと思っています!

               ブラジルバク担当 アラマキ