飼育員ブログブログ

2020年10月24日(土)ゴリラについての質問への回答 第7弾

今回は私たち飼育員とゴリラたちの関係やゴリラの飼育についての質問に答えていきます。

Q.飼育員とゴリラとのコミュニケーションの取り方は?
私はゴリラたちが近くにいるときはなるべく話しかけるようにしています。またゲンタロウやキンタロウは私たちと遊ぶのも好きなので,時間があるときは柵越しでくすぐったり,追いかけっこしたりして遊ぶようにしています。


自分の手の間で私に拍手をしてほしいゲンタロウ。なぜかこの遊びが好きです(;^_^


キンタロウも手を握ったり,私の手と拍手したりして遊びます。

Q.ゴリラたちは自分の名前や言葉がわかりますか?飼育員さんはゴリラたちのことをなんと呼んでいますか?
A.私は,モモタロウのことは「タロウくん」,そのほかの個体はそのまま名前で呼びます。それぞれ,呼ぶとこちらを向くことが多いので,自分がそう呼ばれていることはわかっていると思います。トレーニングの時は,ジェスチャーと共に,「胸」「お腹」「肩」などの言葉も使っていますが,ちゃんとゴリラたちは反応してくれます。また,私がゴリラたちに対してよく使う,「おいで」や「待ってて」などは,キンタロウ以外の3頭はなんとなくわかっているのではないかと思っています。

Q.ゴリラたちとどんな話をしていますか?
A.私はゴリラたちと,ヒトと会話するのと同じように話しています。内容は,その時の状況やゴリラたちの動きに合わせて話しています。よくかける言葉は,「いい子だね」や「可愛いね」,「どうしたん?」などが多い気がします。また,モモタロウが他の個体に餌をとられたくなくて怒ったり,飛びかかろうとしている時などには,「こら!」と怒ることもあります。また,ゴリラたちの挨拶などに使われる「グ~」という声を真似して使ったり,ゲンタロウやキンタロウと遊んでいる時にそれぞれの笑い声を真似して使うこともあります。

Q.モモタロウやゲンキが触らせてくれることはありますか?
A.2頭ともトレーニングの時は体のいろんな部分を触らせてくれますし,モモタロウは普段から私の側にいるときは,触っていいぞ,というように柵に手や肩を近づけてくるので触れます。ゲンキは食べ物が欲しくて柵から手を出してくるときに触ることがありますが,違う!私は食べるものが欲しいの!と怒られることも多いです(^^;


ゲンキはモモタロウ一家の中で唯一,とってもオトナな性格。甘えてくることはあまりありません。

Q.正直ちょっと手がかかるなと思う時はどんな時ですか?
A.エサや掃除の際に,思い通りに部屋を移動してくれないときです。ゲンキが移動しないときは,理由が理解できるので仕方ないかと思うことが多いのですが,モモタロウやゲンタロウは気分やテンションによることが多いので困ります(^^;また,特にゲンタロウはやんちゃ盛りで,わざと私たちを困らせる動きをすることも最近は多いので,も~~!!と思いながら苦労して移動させています。

Q.今後こういう取り組みやエンリッチメントを入れていきたいと考えているものはありますか?
たくさんあります。まず,まだ正式にお知らせはしていませんが,今年度はグラウンドの緑化の取り組みを12月から始めたいと計画しています。詳細は後日お知らせさせて頂きますが,皆さんにたくさん御協力いただけると助かります。ゴリラたちに時間をかけてごはんを食べてもらうためのフィーダーや遊び道具なども少しずついろんなものを増やしていけたらと思っています。
さらに,予算がつけばほしいと以前から挙げているものとしては,グラウンドに設置する開閉式の屋根,非公開のサブグラウンドにいつもゴリラたちが過ごしているメイングラウンドのような梁やタワーの設置,があります。開閉式の大きめの屋根があれば,雨の日でもゴリラたちが外でより快適に過ごせると思いますし,サブグラウンドにタワーができてもう少し快適になれば,夏場の気候のいいときは,ゴリラたちが夜間に部屋だけでなくサブグラウンドにも出られるようにしてみたいと考えています。いずれも今のところ実現する予定はないのですが…

Q.ゴリラに会えない時代が来るの?
現在国内にいるゴリラは20頭。その多くが血縁関係にあります。残念ながら今の状況が続けば,日本でゴリラが見られない時代は確実に来ます。それを避けるには海外の動物園との個体のやり取りしか選択肢はありませんが,そのためには乗り越えなければならない問題がたくさんあります。そしてさらにこの新型コロナウイルスの流行で,ゴリラを海外から搬入,または搬出することは以前にも増して難しくなってきていると思います。国内の動物園が協力して,問題解決に向けて取り組まなければなりません。

今回はここまでです。次回で最終回になります。お楽しみに♪

ゴリラ担当 安井