飼育員ブログブログ

2020年9月19日(土)勝手にお答えします(5)

どこからともなく聞こえてくる来園者のつぶやきに
おせっかいながら,勝手にお答えするシリーズです。

「見てみ,ハヤブサがおるで」
「いやや,こーわーいー」

バサバサと大きな音を立てて飛んだから,怖かったのかな。
それとも
 
こんな嘴と,こんな爪だから,襲われそうに思ったのかな。

ケージの中で掃除をしていると,たまに「そこにおって,怖くないんですか?」とか「襲われたりしないんですか?」と声をかけられることがあります。

ハヤブサは肉食ですが,狙うのはハトやヒヨドリなどの中サイズの鳥です。
私はハトよりもはるかにデカすぎて,エサとは思われていないので,
一緒にいても大丈夫なのです。
むしろ,この人間に何かされやしないかと,ハヤブサのほうがヒヤヒヤし,
警戒して距離を取ります。
猛禽は見た目とは裏腹に,神経が細やかで,実に繊細な動物です。

では大人しい鳥かというと,そうでもありません。
治療などで捕獲するときは,自分の身を守るために全力で反撃してきます。
爪は凶器です。本気で腕をつかまれると,爪がめり込み,血が出ます。
人も鳥もケガをしないよう,捕獲する時や治療中は,厚手の革手袋は欠かせません。
 爪切り中

普段はハヤブサの近くに寄ると,バサバサと飛んだり,(あまり上手く飛べないので)スタスタと歩いたりして,去っていきます。
肉を持っているときだけ,ハヤブサの業平くんは枝の上を歩いて近づいてきます。


肉片をもらう場所はここ,と決めているようで,いつもと違う場所で食べると,
「しまった! 俺としたことが,ついうっかり…」とばかりに,いつもの場所まで移動します。
ホンマにめんどくさい男やで。でも可愛いから許す。
って,ちっともトレーニングになっていないですね (;^ω^)

                               ハヤブサ担当 吉川