飼育員ブログブログ

2020年7月22日(水)ウサギの豆知識その6

ウサギの豆知識は今回が最終回になります!

最後は,ウサギの外来種問題についてです。
ペットとしてお馴染みのカイウサギですが,人が自然界に放してしまうことで,再び野生化して生態系に悪影響を与えている場合があります。
野生化したカイウサギは,国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定されていて,日本でも対策が必要な外来種の1つに位置付けられています。

繁殖力がとっても強いウサギは,捕食者のいない離島で生息数を増やし,自生している植物を食べすぎることで,土壌が侵食される危険があります。
また,天然記念物のオオミズナギドリの巣穴を野生化したカイウサギが占拠するといった事例もあるようです。

近年は,島で野生化したカイウサギがたくさんいる様子がかわいいと話題になり,観光資源の1つになっている場合もありますが,観光客が餌を与えることで更に生息数が増えてしまい,問題となっています。
かわいいから,という安易な気持ちで野生化したカイウサギに餌を与えず,島でのルールを守ることがウサギのためにもなります。

また,残念なことに,数が増えすぎて飼いきれなくなったウサギを野外に捨ててしまう例もあるようです。
カイウサギの野生化を未然に防止するために,自宅や学校で飼育しているウサギは,オスとメスを分けることで,必要以上に繁殖させないようにすることが大切です。


ウサギの豆知識,どうでしたか?
身近な動物でも意外と知らないことがまだまだたくさんあります。
少しでも興味をもってもらえると嬉しいです♪

おとぎの国  髙橋 葵