飼育員ブログブログ

2020年5月7日(木)久々のキリン担当

 当園,種の保存展示課では先月16日に担当動物替えがありました。私もネコ科猛獣と飼料担当からアフリカの草原の担当に替わりました。グレビーシマウマも担当するのですが,主にアミメキリンを担当することになりました。以前にもキリンを担当したことがありますが,約20年前の事なので、その頃とは個体,動物舎,管理方法等々、色々と変わっています。中でも私が特に変わったなと思うのは、飼料の変化です。以前担当していた頃は、牧草や乾草と草食動物用ペレットを与えていました。キリンは本来、木の葉や樹皮などを食べる動物です。同じ反芻動物でも主に草を食べるウシとは違うのです。その頃も「キリンは草食じゃなくて、葉食だよなぁ」と思ってはいたのですが,飼料の改善はせずに担当を離れていました。時は流れ飼養管理は大きく改善され、現在は木の葉や枝、葉食動物用のペレットを与えています。タンパク質やミネラルを多く含む乾草(ルーサン:マメ科牧草)やヘイキューブは現在も与えていますが,各個体とも体調は良好です。

    シラカシやネズミモチなどの葉


             葉食動物用ペレット


              ルーサン乾草


               ヘイキューブ

 さて,飼料の改善は大変いいのですが,飼養管理が進歩しても個体の持つ個性はいかんともし難く,夕方の室内収容時にメイ(メス6歳)がなかなか入ってきてくれなくて,ちょっと困っています。いつもイブキ(オス3歳)が先に入ってくるので,イブキとの相性が今一つで神経質なメイは入口辺りで入るのをためらう事が多いのです。ミライ(メス19歳)はさすが年の功とでも言いますか,イブキが先に入っても気にせずに入ってきます。以前担当していた時に飼育していたキブネ(メス1998年11月死亡)も神経質なキリンでしたが,晩年はおおらかな性格になりました。メイも順調にいけば来年の2月にはお母さんになります。初産なのでますます神経質になってしまうのではないかと心配しています。案ずるより産むが易し、となってもらいたいものです。


     部屋に入り渋るメイ

現在は新型コロナウイルス感染防止のため休園中ですが,事態が終息し開園しましたら,ぜひアフリカの草原にキリンやシマウマたちを見にお越しください。

アフリカの草原担当 松ぞう