飼育員ブログブログ

2019年12月6日(金)タンザニアへの窓Part6~Let’s Go タンザニア!~

※バックナンバー
タンザニアへの窓Part1~旅のはじまり~
タンザニアへの窓Part2~チンパンジーはどこに?~
タンザニアへの窓Part3~名前の秘密~
タンザニアへの窓Part4~村の周りは~
タンザニアへの窓Part5~サバンナの動物達~ 

先日の報告会ではたくさんのご出席,ご質問をいただき有難うございました!
10月から始めたタンザニアブログも今回が最後のPart6になります(^^)
今までは旅の流れに沿って,動物たちの様子を中心にお伝えしてきましたが,
今回は「タンザニアに行ってみたくなる!」をテーマに
Q&Aの形でお伝えしていきたいと思います♪

Q.チンパンジーやキリンは居たけど…ところで野鳥は?
A.…すみません。野鳥派の皆様,お待たせしましたm(_ _)m
 今回訪れたタンガニーカ湖畔やセルーのサバンナでは
 たくさんの野鳥にも出会いました(写真撮影&種の同定をできたのが36種)
 少しだけご紹介すると…
 ○オニアオサギ
 
 京都市動物園内でもよく見かけるサギの仲間です!
 ルフィジ川の浅瀬を優雅に歩いていました。
 ボートの運転手が鳥探しに夢中になって浅瀬にボートが
 座礁したのもいい思い出です♪
 ○オオヤマセミ
 
 カワセミ科ヤマセミ亜科に属する鳥。
 おそらく魚を狩ろうと集中しているところ…
 英名はGiant Kingfisherで,名前の通りですね!
 ちなみに京都市動物園では先日からカワセミを展示しています。
 救護された個体でしたが野生復帰が難しいため,
 この度園内で飼育することになりました。
 ○シロガシラトサカゲリ
 
 チドリ科タゲリ属の仲間。黄色の嘴周りが特徴的!
 川辺で巣を作り繁殖するのですが,侵入者には徹底的に威嚇します。
 たとえそれがカバであっても(・0・)
 同じタゲリ属のケリは京都市動物園の野鳥舎でもご覧いただけます♪
 
 ぬぬぬ…紹介しきれません(汗)
 バードウォッチングにもおすすめな場所ですよ!

Q.タンザニアでの食事って美味しかった?
A.私としては…とても美味しかったです♪
 以前のブログで紹介したモチのような「ウガリ」という主食に加え,
 観光客向けには米やパンも主食として出てくるので安心♪
 でも…麺類だけはすっごく柔らかく煮込みがちです。。。
 
 おかずとしては焼き魚や鶏肉を使った料理が多い印象でした。
 タンザニアにはイスラム教徒の方が40%程度居るので,
 豚肉はあまりメインのメニューとしては使われていなかったですね。
 また現地の方が食べる場所では香辛料がしっかり効いていることも
 あるので注意してくださいね!

Q.飲み物はどうだった?
A.食事の際にはミネラルウォーターが出てきます。
 海外へ行くといつも思いますが…
 蛇口からガブガブ水を飲むことができる日本の水道に感謝♪
 タンザニアといえばこの飲み物も有名です↓
 
 コーヒー豆の種類で「キリマンジャロ」を
 聞いたことがある方は多いはず!
 このキリマンジャロはアフリカ大陸最高峰の山のこと。
 タンザニアの北東部にある山で,ここで栽培されている
 コーヒー豆は日本で有名ですね!
 でもコーヒーはどちらかというと観光資源。
 タンザニア人の朝の一杯はチャイ(紅茶)らしいです(^‐^)
 お酒好きな方にはこちら↓
 
 ビールです♪
 「セレンゲティ」は国立公園の名前です。
 なぜビールをお勧めするかというと,タンザニアの歴史にあり!
 タンザニアはドイツやイギリスに統治されていた過去があります。
 その際にビールの醸造技術も伝わっていて,多くの種類があります。
 
 これもビール♪「NDOVU(ドヴ)」はスワヒリ語でゾウを意味します。
 ワインも近年有名らしいのですが,アフリカといえば「南アフリカ共和国」
 がワインでとっても有名!そこからの輸入ワインが多いみたいです。

Q.お土産ってどんなものがあるんだろう?
A.木彫りの民芸品やPart1で出てきた一枚布のカンガもありますが,
 こんな可愛らしくてオシャレなものもあります♪
 
 「ティンガティンガ」と呼ばれる絵画です。
 動物達やマサイの姿を独特なタッチで描いています。
 ダルエスサラーム中心部からバスで30分ほどの場所に
 絵師たちが集まるティンガティンガ村があり,
 絵を購入したり,実際に描いている様子も見ることができます。
 
 変わり種としてこんなものも紹介してみようかと…
 
 アマルーラ・クリームというアルコール飲料です。
 またお酒?と思わないでくださいね(^^;)
 こちらにもゾウの絵が描かれていますが,このお酒の原料である
 マルーラの木の実はゾウも大好きなんです♪
 
 実はセルーで見つけたゾウの糞の中にもマルーラの種がありました。
 ゾウが夢中になるほどの美味しさというのも興味深いのですが,
 今回はゾウには「種子散布者」という重要な役割があるというお話。
 ゾウが実を食べ,別の場所で糞として種を残すことで,
 そこから新しい芽が出てきます。
 ゾウは美味しい実を食べる。マルーラは種を別の場所に運んでもらう。
 こうやって生態系のバランスを取る仕組みもあるんです。
 こんな小話と一緒にお土産にしてみるのはいかがでしょう?

Q.日本から何時間くらいで行けるの?
A.今回はトランジット諸々含めて22時間でした!
 経由地で多少変わるとは思いますが…
 ここは頑張りどころですね。。。
 

どうでしたでしょうか?タンザニアへ行ってみたくなりましたか?(^^)
今回のブログがタンザニアの動物達やタンザニアという国への
皆さんの興味につながって貰えたら私も嬉しいです。

最後は皆さんからも多かった,こんな質問への回答で締めくくりたいと思います。

Q.タンザニアの人は実際,野生動物のことをどう思っているの?
A.とても難しい質問ではありますが…
 今回の旅で私が出会った人からの話や,出会った様々なものから
 個人的に思うところは…
 「うまく共生できるように取り組んでいる」
 という印象でした。
 好意的かそうでないかは,実際に動物による影響を受けているか
 どうかで大きく変わると思います。
 ゾウやカバなどによる死亡事故や作物被害があるのも事実です。
 国立公園になったことで住めなくなってしまった人,
 仕事ができなくなってしまった人も居るはずです。
 国立公園化により逆に森林保全がうまくいかなかったケースもあります。
 ※キリマンジャロ国立公園でのバッファゾーン問題
 今回お会いした人たちが旅の目的上,動物達や自然環境に好意的な方が
 多かったのだとも思います。

 それでも国を挙げてプラスチックの減量に取り組んでいる姿もありました。
 
 ※タンザニア国内へのプラスチック製袋の持ち込みが禁止されています
 国立公園の隣の村も,私たちのような観光客を招いて
 収入を得ることもできますし,観光収入の一部を周辺住民への
 奨学金とすることで学校教育の普及にも取り組んでいるそうです。
 
 子供たちはとてもフレンドリーに覚えたての英語で話しかけてくれました。
 
 タンザニアにとって動物達や自然環境は財産であり,
 観光資源でもあると思います。
 これからも国やその周りからの支えで,動物達や自然環境が保全されながら
 タンザニアの人々の生活が豊かになっていくことを願っています。
 
 私自身,タンザニアだけでなく他の国や,とりわけ自分の国である日本での
 野生動物達や自然環境保全への取り組みにもっと目を向けていかなければと,
 今回の旅で思い知らされたところもあります。

今回はだいぶ長いブログになってしまいました…(汗)
締めくくりのお話ということでご容赦ください(^人^)
また今回のような形で,皆さんからご質問を受け付けながら実際に調査する
というお話を出来たらいいなと考えています。
その際はまたお付き合いいただけたら嬉しいです(^^)

Part6までご覧いただきありがとうございました!

最後は綺麗なタンガニーカ湖の夕焼けで…

                         アラマキ