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2017年1月15日(日)シリーズ~ヤマネコとイエネコ~⑩

ただ今,ツシマヤマネコの繁殖期まっただ中です!
実はイエネコも今が繁殖期。しかし,家から出ることのないイエネコたちは少しズレが生じます。

今日は繁殖期には欠かせないニオイの話です。
ネコたちにとって,ニオイは視覚よりも重要な感覚です。
残っているニオイで,その個体の情報が得られるのですから。


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これはキイチがめいちゃんのグラウンドに入ったらまず行うことです。
めいちゃんのニオイをかぎまくります。
そのあとはこの顔です。
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ビミョーな顔なのでよくわからないかもしれませんが,これは鼻腔内の「ヤコブソン器官」というニオイをもっとしっかり判断する器官に,上顎の切歯の裏側にある開口部からニオイを取り込んでいるところです。
これを「フレーメン」といい,ネコ以外の動物でも見られる「変顔」です。(開口部は動物種によって違います。)

ここにもめいちゃんのニオイがありました。
ニオイを嗅ぎ,自分もニオイをつけます。
これは顔にある臭腺をこすり付けているところです。
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その後に行うのが
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ご存知,「尿スプレー」です。
いろいろな場面で行いますが,繁殖期にはこの回数が増えます。
これは,オスだけではなく,メスにも見られる行動です。
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これは,めいちゃんが尿スプレーした跡です。

先ほどキイチが顔をこすり付けていたこの場所,めいちゃんがいつもニオイつけ(マーキング)をしているところなのです。
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台の裏を覗いてみると,跡が残っていました。

さて,ネコには,顎の下(下顎下腺)・口の両側(口周腺)・おでこの横(側頭腺)・しっぽの付け根(尾腺)・指の間(指間腺)・肛門近く(肛門腺)と,多くの臭腺があります。
肛門腺から出るニオイはかなり強烈ですが,ほかのところは私にはさっぱりニオイがわかりません。(イエネコ代表クロネコくんの顔を嗅ぎました)

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これはキイチが口の横にある臭腺でマーキングを行っているところ。

イエネコの顔の前に指を近づけたら,こんなことしませんか?
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口の前の方からほっぺにかけて顔を移動させるこのしぐさ。
これはマーキングなのです。

動物たちは自分のニオイがあると落ち着きますし,敵や味方,群れの仲間,恋の季節はお相手に…いろいろなサインを送っているのです。
ちなみに,ネコの顔から出るフェロモンはフェイシャルフェロモンといい,5種類あると言われています。
そのうちのF3というフェイシャルフェロモンは,自分を落ち着かせるフェロモンだそうです。
自分の場所,自分の場所にある物,自分と一緒に生活しているヒトなどにこれをつけると安心するのです。

私も,イエネコ代表クロネコくんにマーキングされています^_^
あ~シアワセ(*^_^*)

種の保存展示課 タカギナオコ