2012年6月15日（金）カイトくん旅立ち大作戦！

大きな体でプールを泳ぎ回り，迫力ある姿を見せていた爬虫類館の看板息子でもあったクチヒロカイマンのカイトくんが，先日１２日に，静岡県の熱川バナナワニ園へと旅立ちました。

その旅立ちまでの飼育員たちによる捕獲大作戦をチラリとご紹介します。

これがワニ輸送用の箱。ここへワニを入れます。

１１日午後３時半ごろ（担当者２人は朝からの緊張のため，お腹が最大限痛かったころ）。
捕獲劇本番前，最後の打ち合わせとイメージトレーニング。ワニを箱の中に引きずり込む作戦の特攻隊長Ｙシタ係長は，自ら箱の中に入り入念チェック。

いざ出陣の時！！

先の輪っかを自由に絞めたり緩めたりできる器具を使い，カイトくんの体に通します。

爬虫類飼育の大ベテランＨ氏の指導の下，ワニ捕獲が実質初体験の担当者２人が実践(この時お腹の痛みを忘れているくらい集中している)！！

基本的にデリケートでおとなしいカイトくんはすんなり輪っかに収まってくれました。
さぁ次は陸に引き揚げる作業に移ります。

すると……

カイトくん，捕獲用ポールに噛みつき大ローリング！！！！
ワニの習性で，物に噛みつくと一気に体全体を回転させます。
生でローリングを見たのはこれが初めて。作戦の最中ではありますが，ワタクシ感動して眺めてしまいました。。。

で，ローリングが落ち着いた瞬間に陸に引き揚げ！
でも，その間も何度かローリングするカイトくん。ポールに噛みついている歯が恐ろしいですね。

箱に引き込む前に頭部を板などで抑え込み，獣医による個体識別用のマイクロチップ挿入。

ア～ンド　　箱　　イン。

運び出しを終え，翌１２日にトラックに乗り，旅立っていきました。

当日までに夢の中でも捕獲シミュレーションをしていたワタクシ(笑)
誰も怪我などせず，スムーズに作戦を終えることができホッとして，またお腹が痛くなってしまいましたとさ(汗)

爬虫類館の飼育業務に携わって丸５年，本格的にワニの担当になってから丸３年。
初めてカイトくんのエサやりをした時は怖くて手が震えたものでした。
でも，豪快な動きといかつい顔とは裏腹に，デリケートでちょっとかわいげがあったカイトくんを知るうちに，だんだんと愛着が湧くもので，最後のエサやりの時，捕獲前日，彼と顔を合わせていると感慨深いものがありました。

これからは熱川バナナワニ園で元気に暮らしてや，カイトくん！
いろいろな経験をありがとうね～

満ちるのオカン