飼育員ブログブログ

2009年5月26日(火)ポールよ安らかに

ホームページ内のニュースでもすでにお知らせしましたが、ホッキョクグマのポールが5月22日に死亡しました。
ポールは国内飼育中のホッキョクグマでは最高齢で34歳5ヶ月でした。

ポールは1974年12月9日にカナダの動物園で生まれ、1975年10月に京都市動物園にやってきました。
それから、2000年までメスのポーラとともに暮らしていました。
その間、4回合計9頭の出産がみられましたが、残念ながらすべて生後まもなく死亡しています。ホッキョクグマは非常にデリケートな動物で動物園での繁殖は難しい動物です。

ポールは今年の2月頃から体調をくずし始めて、5月中旬には起き上がることも困難になってきたため治療に専念していました。
来園者にもとても人気があり、動物園の人間にとっても思い出の多いポールでした。

ポールが死亡する30分位前に不思議な出来事がありました。
様子を観察していた担当の飼育員達の前で、それまで頭も上げることができなかったポールが急に起き上がろうとしたそうです。
「そろそろいくね、ありがとう」と別れを告げているようで、担当の飼育員達がポールへの思いをいっそう強くするような出来事でした。
 
           ポール、いろいろな思い出をありがとう。

    

                            ホッキョクグマ担当者                文責:飼育課 山下直樹