救護センターブログブログ
2024年12月9日(月)2024年度、上半期(4~9月)のまとめ
野生鳥獣救護センターです🦜
遅くなりましたが本日は今年度上半期(4~9月)のまとめをお送りします。
画像は現在もリハビリに励んでいるコシアカツバメです(今期の放野は厳しいと考え、救護センターで越冬しつつリハビリに励んでもらおうかと計画中です)。
上半期は15種18羽の鳥類の持ちこみがありました。
転帰は
放野8(44%)
死亡5(28%)
安楽死処置2(11%)
飼育中3(17%)
となりました。
よく言われる「放野できるケースは3割程度」と比較するとかなり高い数値です。速やかな搬送、適切な治療とリハビリ、適切な放野タイミングの決断等が影響しているように感じました。市民の皆様の協力あってのものだとも思います。ありがとうございます。
搬入原因としては不明が多く13例。人工物による衝突・転落が3例、動物による襲撃が2例、わな等(粘着シート)によるものが1例。
受傷原因不明の個体の臨床所見、解剖所見からは人工物による衝突が推測される事例が多く見られました。
以前から「鳥が事故に遭わないためにできること」を発信しておりますが、防止策はまだまだ足りないのだろうと考えられます。ですが、救える命はできる限り救いたい、その一心で皆様と協同していきたいと思います。救護センターの投稿を読んで「こんな対策方法があるんだ!」と思うことがありましたら、友人知人の方にも広めてくださると幸いです。
かたやどれだけ人災であろうとも受入できない鳥獣が指定されています。農業被害や生活被害がある等様々な理由で救護対象より除外されているものです。大変もどかしい思いで相談対応等をしている現状です。何卒ご理解ください。
野生鳥獣の命、人間の生活、両方ともを守らねばならないのが救護事業の辛いところです。なかなかに難しい課題だなと感じます。
救護事業は個体を助け野生に帰すだけが目的ではありません。救護個体は自然界からのメッセンジャーですので、個体からメッセージを読み取り、自然界では何が起きているのかを考え、それを皆様に伝えるという役割があります。それは巡り巡って生物多様性保全に繋がります。自然の恵みを享受することで成り立つ人の暮らしにはなくてはならないものです。いまいちど救護事業について考え、普及啓発に勤しみたいと思います。また、京都市動物園InstagramやFacebook、X(Twitter)も適宜更新してまいりますのでそちらもご覧いただけると幸いです。
いつも長い長い文章を最後までお読みくださりありがとうございます🦜
野生鳥獣救護センター担当 みやがみ