救護センターブログブログ

2023年10月23日(月)アオバトの成鳥

先日、アオバトが持ち込まれました。
体のあちこちから新しい羽が生えかけていて、パッと見ボロボロでした。


アオバトは襲われそうになると、捕食者の爪がアオバトの体に食い込む前に、わざと羽を散らして逃げる習性があります。(治療などで捕まえる時も羽がごそっと抜けます)
新しく羽が生えてくるときは、羽が白い鞘に包まれてツンツンした感じになっています。
 
このアオバトは襲われそうになって新しい羽が生えてきたからツンツンしているのか、幼鳥から成鳥になる過程の換羽でツンツンしているのか、よく分かりませんでした。
バンダー(鳥類標識調査員)をされていた方に、アオバトの成鳥の特徴を教えてもらいました。

成鳥を見分けるポイントは、嘴、虹彩、翼の風切羽です。
 
成鳥は嘴の色が水色です。幼鳥は上嘴にピンク色が残ります。

成鳥の虹彩は外側が赤で、内側が青。
幼鳥の虹彩は鮮やかではなく、暗い色合いです。


翼の初列風切羽の端から3番目、P8と呼ばれる羽に凹みがあります。
幼鳥の風切羽には凹みはありません。

成鳥と分かったアオバトですが、日に日に元気がなくなっていきました。
血液検査をすると、肝臓に関する数値が異常に高いことが判りました。
投薬と食餌療法による新たな治療に取り組もうとしたときには、アオバトは首を垂れて意識消失寸前でした。
予後不良(治療を続けても回復の望みがない)と判断し、安楽殺を選択しました。

野生鳥獣救護センター よしかわ