救護センターブログブログ

2023年8月7日(月)サシバ、新天地へ


この鳥が救護センターに来たのは、去年の7月。
右翼を骨折していました。
折れた骨の中にピンを入れる手術を行い、新しい骨ができてくっつくのを待つことになりました。

この鳥はタカのようだけれど…と思って調べると、サシバでした。
春に生まれ、親から独り立ちした若い個体です。
サシバと言えば、虹彩(目)は黄色く、白い喉元には黒い一本線が入っていますが、
若い個体は虹彩の色が暗く、お腹の模様も縦縞でした。
 

その後、どれだけ骨が形成されたかレントゲン撮影で確認しても、ぼんやりとしか映らず、ピンを外すことができないまま、10月になりました。
サシバの暗色だった虹彩の色が薄くなり、顔つきが大人びてきました。

サシバは夏の渡り鳥なので、冬を過ごすために南の国へと渡っていきます。
この渡りには間に合わないので、暖房設備のある部屋で冬を過ごしました。

春になりましたが、残念なことに放野ができる状態ではなくなっていました。
骨は形成されたものの、翼が固まり、十分に広げることができなくなったのです。

飼育ボランティア制度を活用し、サシバの新たな生きる道を検討することにしました。
すぐに応募があり、トントンと手続きが進んで、7月末に飼育ボランティアさんの元へと旅立っていきました。

救護センターに来て、丸一年。
虹彩は黄色くなりました。お腹の模様はまだ縦縞でしたが、タカらしい凛々しい顔になりました。
怪我をして辛い目に遭った分、新天地で幸せになってほしいと願っています。

野生鳥獣救護センター よしかわ