救護センターブログブログ

2023年5月27日(土)粘着剤の被害に遭ったイソヒヨドリ

ネズミ捕り用の粘着剤が原因で救護される野鳥のことを、毎年ブログに書いています。
粘着シートに張り付いた野鳥が毎年数羽、持ち込まれるからです。
 

今年も1月に粘着シートに張り付いたイソヒヨドリのことを、ブログとインスタグラムに投稿しました。

「野鳥を粘着事故から守るため、粘着シートを屋外で使わないで下さい」と毎回お願いしていますが、
半年も経たないうちに、粘着剤にまみれたイソヒヨドリが持ち込まれました。
どうすれば粘着事故は無くなるのだろう。
どう伝えれば、私たちの願いは届くのだろう。
やるせなさと虚しさで胸がいっぱいになりましたが、とにかくこのイソヒヨドリを一刻も早く助けなくては!!


イソヒヨドリは自力で粘着シートから脱出したものの、動けなくなっていました。
尾羽が無かったので、その時に根こそぎ抜けたのでしょう。
両翼は粘着剤で固まり、足の指も一塊の団子状になっていました。

油を塗って粘着剤を浮かせて、洗剤でその油を洗い流しました。
しかし、1回の洗浄では粘着剤を取り除くことはできませんでした。
体力の回復を待って、翌日以降に洗浄を再開することになりました。

この日は用意したコオロギやミルワームをペロッと食べました。
元気そうだったので、「尾羽が生え揃うまで待ってから放野かな」と思っていましたが、2日後に突然亡くなりました。
元気に見えたけれど、かなり無理がかかっていたのですね。
粘着剤を取り除くための処置であっても、野鳥にとっては恐怖とストレス以外の何物でもありません。
どうしても心身ともに負担を強いてしまいます。

野鳥を粘着事故から守るため、ネズミを駆除するための粘着シートは、屋内で使うように心がけてください。
野鳥がうっかり引っかかってしまう事故が起きています。
皆さまのご理解とご協力をお願いします。

野生鳥獣救護センター よしかわ