救護センターブログブログ

2023年4月29日(土)オオルリを放野しました!


オオルリを放野しました。
放野したというよりは、やっと解放できた!!という思いのほうが強い野生復帰です。
オオルリは囚われの身でした。
違法飼育されていたところを警察に保護され、救護センターに運ばれて来ました。

故意なのかどうか分かりませんが、尾羽が根元に近いところで折れていました。
パッと見、尾羽がない状態です。

鳥の羽は、折れたところから伸びてくることはありません。羽が生え変わるまで、折れた羽のままです。
オオルリは少しは飛べたものの、夏の渡り鳥なので、海を越えて南の国へ帰れる状態ではありませんでした。
折れていた尾羽や下尾筒(尾羽の下にある羽)など22本を抜き、新しく生えてくるのを待つことにしました。
しかし、尾羽が生え揃う頃には渡りの時期を過ぎ、冬になっていました。


春が近づくにつれ、オオルリは良くさえずるようになりました。
暖かな日には救護センターの2階で日光浴をさせていたので、その声は動物園の京都の森にいても聞こえました。
ご機嫌な調子でさえずる声を聴くたびに、早く帰してあげたいと思ったものです。


夜の寒さも和らいだので、室温から外気温に順応させ、リハビリ用の屋外ケージに移しました。
すると、今まで内に秘めていたエネルギーを放つかのように、見事な旋回飛行を披露してくれました。
すぐさま放野日程の調整に入りました。

警察の立会いの下、園内で放野しました。
箱を開けると、すぐにカエデの木立へと飛んでいきました。

しばらくそこで佇んでいましたが、やがて姿が消えていました。
もう二度と人間に捕まらないよう、切に祈っています。

野生鳥獣救護センター よしかわ