救護センターブログブログ

2023年4月8日(土)キビタキ、新天地へ

去年の9月にメスのキビタキが持ち込まれました。
野生復帰は叶わず、この4月から飼育ボランティアさんの元で新しい暮らしを始めました。
キビタキが救護センターで過ごした日々を紹介したいと思います。


キビタキは夏の渡り鳥です。
南へ渡る時期にケガをして、飛べなくなっていました。
右翼を複数か所骨折していたので修復は難しく、命を救うために断翼せざるを得ませんでした。
ケガをしたときに頭も打っていたようで、沈鬱状態が続きました。
良くなったと思っても沈鬱状態がぶり返し、冬は越せないかも、と心配したものです。


健康のために日光浴は欠かせません。
晴れた日は屋外に鳥籠を置き、初冬や春先でも暖かな日は、鳥籠に風避けのビニール袋をかぶせて日向ぼっこをさせていました。

キビタキは、いつしか地鳴きをするようになりました。
「ジリリ、ギリリ」と虫の音のような感じに聞こえる声です。
オスのさえずりとは違って美声とは言い難いのですが、それでも地鳴きが聞こえると、体調が良くなっていると感じられて、嬉しく思いました。
春が近づくにつれ、鳴く回数も多くなっていきました。

水浴びもよくしていました。
バードウォッチングでキビタキの水浴びを観察したことがあったので、広めの水入れ(容器のフタを代用)を試しに置いてみたら、バシャバシャと水浴びしていました (*^_^*)

やっぱり水浴びが好きやったんやね。

寒さが苦手な夏鳥なので、暖かくなるまで救護センターで保護し、満を持して飼育ボランティアさんに終生飼育をお願いしました。
翼を失ってもひたむきに生きるキビタキが、新しい暮らしに慣れて穏やかに過ごしていますように願っています。

野生鳥獣救護センター よしかわ