救護センターブログブログ

2022年8月4日(木)アオバト、新天地へ


5月末日に、右翼を骨折したオスのアオバトが救護センターに運ばれて来ました。
中手骨を開放骨折していました。
中手骨とは翼の先のほうにある骨で、初列風切羽が生えています。
その骨が折れて、体の外まで突き出た状態でした。
細い骨が複数カ所も折れ、骨の破片もあったので整復不能と判断し、翼の一部を断翼しました。
その後、皮膚を縫い合わせた傷は癒えましたが、翼の一部が無くなったので、飛べなくなりました。

野生復帰ができなくなったので、アオバトの次の生きる道を考えることになりました。
アオバトは人が与えたエサをなかなか食べない鳥です。
自分で食べてくれないと、次のステップに進めないので、置いたエサを食べるようになるまで、様子を見ながら差し餌をしていきました。
救護センターで与えたのは、ふやかしたドッグフード、乾燥したトウモロコシ、山桜のサクランボです。
10日ほどで自分からサクランボを食べ始め、その後は配合されたハト用のエサも食べるようになりました。

アオバトは樹上生活をする鳥です。
少しでもかつての暮らしに近づけようと、枝がいっぱいある樹木の雰囲気が出ればと考え、ケージに止まり木を何本も設置しました。

 
最初は床でじっとしているだけでしたが、少しずつ慣れてきて、止まり木から止まり木へと渡り歩くことを覚えました。下段、中段、上段と、ふだん過ごす止まり木の高さも変わってきました。

動物園には救護センター出身のアオバトが3羽います。
同じような境遇のアオバトばかりで、ケージにも余裕があり、動物園に移すことになりました。
検便にも合格し、様々な手続きを経て、7月25日に動物園に移りました。
先輩アオバトたちと仲良く過ごしてくれればと、願っています。

野生鳥獣救護センター よしかわ