救護センターブログブログ

2022年3月17日(木)チョウゲンボウ,新天地へ

チョウゲンボウが救護センターに運ばれてきたのは,1月初旬のことでした。


左の翼を広げることができず,だらんと下がったままです。
翼の骨が折れ,骨の先端が傷口の外に出ている開放骨折になっていました。
傷口が汚染されている恐れもあることから,断翼処置を取りました。
その後,骨が露出してきたので,再手術を行いました。
2度の手術に耐え,よく頑張ってくれたと思います。

チョウゲンボウはそんなに神経質な鳥ではないのですが,数日間は警戒して,餌を食べてくれませんでした。
今まで見たことのない馬肉だからか,食べられるものなのか戸惑っていたのでしょう。
口の中に肉片を入れて食べさせていたら,やがて自分からこま切れ肉を食べるようになりました。
食べやすく切っていたこま切れ肉を切れ込み肉に替え,さらに塊肉に替え,徐々に肉の形状を変えていきました。

わざと食べにくいサイズにすると,時間をかけて食べさせることができます。
ささやかながら,これも採食エンリッチメントになっているのではと思います。


チョウゲンボウの翼の傷は癒えたものの,片翼なので野生復帰は叶いません。
動物園で飼育展示し,教育普及の役目を担ってもらうことになりました。
新しい生活の始まりです。新天地で健やかに過ごせることを願っています。

野生鳥獣救護センター よしかわ