救護センターブログブログ

2022年2月13日(日)鳥が低体温になっていたら

暖かい日もあるけれど,三寒四温というよりは,体感では四寒三温な日々ですね。
山野に住む鳥たちにとってこの時期は,生きるか死ぬかの瀬戸際です。


美味しい木の実は食べ尽くし,軸しか残っていません。
虫もそうそうおらず,何か食べられるものを探して探して,ひもじい思いをしながら,飢えをしのいでいます。
こんな時に急に寒波がやってくると,力尽きる鳥もいます。


先月,京都市内に雪が積もった日のことです。
動けないメジロが園路にいると連絡をもらい,駆けつけました。
そばに人がいてもメジロは身動き一つせず,ちんまりと佇んだままでした。
(参考写真)

持ってきた箱に入れる時,メジロに触れると,温かいというよりは,ぬるいと感じました。
鳥の体温は約40~42度。「風邪を引いた?」と感じるぐらいの熱っぽさがあります。
ぬるいということは,低体温になっている可能性もあり,すぐさまメジロの体をドライヤーで温めました。
(再現写真)
直接熱風を当てるのではなく,熱風を自分の手で受けて,間接的に届くようにします。

ドライヤーで体を温めたら,メジロは羽ばたき,元気を取り戻しました。
しかし外はかなり寒かったので,温かい部屋からいきなり外へ出すと,また具合が悪くなって救護センターに逆戻りしかねません。
暖房が効いた部屋から暖房の無い部屋へ,次は箱に入れたまま外へと,徐々に外気温に慣れさせていき,1時間後に放野しました。

鳥の体を温めるには,使い捨てカイロやお湯の入ったペットボトルも使えます。
いずれもタオルなどで巻いて,鳥に直接触れないように熱源を置きます。
ちょっとした手当で回復する場合がありますので,頭の片隅に入れておいてください。
いつか役に立つこともあると思います。

野生鳥獣救護センター よしかわ