救護センターブログブログ
2021年11月30日(火)緑鳩(アオバト)
緑の鳩と書いてアオバトと読みます。案外,難読漢字かもしれませんね。
アオバトは黄緑色の体と,水色の嘴が印象的なハトです。山でひっそりと暮らしています。
そのアオバトが10月と11月だけで6羽も保護されました。
留鳥でもあり漂鳥でもあるので,秋が深まるにつれて,山から里へと下りてきたのでしょう。一日に2羽立て続けに来た日には,「都会は危ないから,落ち着いて行動して!」とアオバトたちに教えてあげたいと思ったものです。
保護された6羽のうち,3羽は数日も経たないうちに亡くなりました。
残った3羽は見分けもつきにくいので,症状の名前をつけました。
左翼を骨折し断翼手術をしたアオバトは,断翼の子。
骨折した骨の中にピンを入れる手術をしたアオバトは,ピンの子。
首から肩にかけて羽が抜け落ちていたアオバトは,羽抜けの子。
何のひねりも,センスのかけらもない名前です…(;^ω^)
歴代のアオバトはちっともエサを食べなくて苦労しましたが,この3羽は比較的スムーズに食べてくれました。
それでも好き嫌いはあります。「お残しは許しまへんで~」と言ってもアオバトたちには伝わらないので,エサを混ぜこぜにしてみました。
市販のハトのエサに麻の実,むき餌,リンゴ,バナナ,オレンジ,柿を加え,さらに園内で収穫したソヨゴやピラカンサ,ナンキンハゼの実,アラカシのドングリをトッピングしました。
あまり好きではないものでも,好きなものに釣られて食べてもらえたらと期待を込めた一皿です。
ソヨゴとトウモロコシが大好きだった断翼の子は,動物園で飼育展示されることになり,京都の森のアオバト舎に移りました。ここにはラブラブのアオバトカップルがいるので,離れたところで1羽で過ごしています。
羽抜けの子は好き嫌いもなく,よく食べていました。体力もついて飛べるようになり,11月26日に放野することができました。
ピンの子は何を食べたか分からないほど,エサを散らかします (=_=)
でも体重は増えているので,ちゃんと食べているようです。
折れた翼の骨を金属のピンで固定させているので,筋肉がかたまらないよう翼の進展運動のリハビリを毎日しています。骨が形成されて繋がっていれば,放野の可能性もでてきます。
皆様に良い報告ができればと願っています。
野生鳥獣救護センター よしかわ