救護センターブログブログ
2021年11月11日(木)今年も来ました(~_~;)
10月下旬から,そろそろかな~と思い,白菜が入っていた段ボール箱をせっせと貯めていました。
何がそろそろかというと,11月はオオミズナギドリの持ち込みが相次ぐ時期なのです。
段ボール箱は,オオミズナギドリを収容するために使います。
そしてとうとう,やって来ました。11月5日に2羽,6日に1羽。
オオミズナギドリは京都府の府鳥です。
舞鶴市の若狭湾沖合にある冠島が,繁殖地になっています。
秋になると,親鳥は子供をたっぷりと太らせ,先に南へ渡っていきます。
残された子供は太った分の栄養を消費し,体重を減らしてから,内陸部を通って南へ渡っていきます。
その道中に強風に巻き込まれたり,何らかの災難に遭ったりして地面に降りてしまうと,オオミズナギドリはもう飛べなくなります。
とても長い翼がアダとなり,羽ばたいても翼を地面に打ち付けるだけで,飛び立てないのです。
成鳥が両翼を広げた長さ(翼開長)は122cmもあります。
保護されたオオミズナギドリが自分で餌を食べたという話は,聞いたことがありません。
毎回,魚を食べさせなくてはなりませんが,これが厄介なのです (>_<)
飛び立つために崖にせり出した木に登るからか,小さな爪なのに尖っていて,引っかかれると痛いです。
嘴のへりが鋭くて,うっかり素手で触ると指が切れることがあります。
餌やりの時は軍手をはめ,両足でオオミズナギドリをしっかり挟んで,身動きが取れないようにします。
嘴をこじ開けたら,左手で確保し,右手で喉の奥に魚を突っ込みます。
魚は頭の方から入れるとウロコが逆立たないので,スルッと入るはずなのですが,オオミズナギドリが嫌がって暴れ,時間がかかることもしばしばです。
一度にたくさんの魚を食べさせると吐き戻すので,ちょっとずつを数回に分けて与えています。
あぁ,自分で食べてくれたら,どんなに楽だろう...
この思いは全国の「救護センターあるある」じゃないかな (;^ω^)
兎にも角にも,オオミズナギドリたちは嫌々ながらも餌を飲み込み,元気を保ってくれたので,京都府の職員さんに放野を託しました。無事に飛び立っていったようです。
野生鳥獣救護センター よしかわ