救護センターブログブログ

2021年10月29日(金)粘着シートで野鳥が傷ついています!

粘着事故。
ネズミ捕り粘着シートを屋外で使ったがために,野鳥がシートに引っ付いてしまう災難です。
粘着事故による野鳥の持ち込みは年に一度ぐらいの頻度ですが,今月は二日連続で起きました。

最初に運ばれてきたのは,イソヒヨドリです。
シートからはがされた状態で,片翼が短くなっていました。
 
粘着除去後のイソヒヨドリ

左右の翼の長さが違う…まさか翼が途中で折れたのでは?!
粘着を除去した後でレントゲン撮影をしたところ,指先に当たる指骨は無事でした。
骨折は見られず,風切羽が抜けただけでした。
風切羽が生え揃うまで時間も体力も必要なので,「抜けただけ」と手放しには喜べないですが,骨折に比べれば回復する可能性が高く,不幸中の幸いと言えるかもしれません。

イソヒヨドリの翌日に運ばれてきたのが,メジロです。
吊り下げ式のスズメバチ捕り粘着シートを地面に置いて使っていたところ,メジロが2羽引っ付いていたとのことでした。
問い合わせの電話があった際に,メジロをシートからはがさずに救護センターに連れてくること,これ以上引っ付かないよう粘着物に小麦粉やベビーパウダーを振りかけることをお願いしました。
 メジロ2羽

自分で何とかしようと粘着シートから野鳥をはがすと,さらに野鳥を傷つけることがあります。
また,粘着除去の作業は野鳥にはかなりのストレスとなり,死亡することもあります。

粘着シートを使う時は,野鳥がうっかり引っ付いてしまうことも,想像してみてください。
シートに付いた小さな虫や草の種を食べようとして,野鳥はそこに足を踏み入れてしまいます。そして,粘着から逃れようとして暴れ,もがき,やがて身動きがとれなくなります。

過去にはこんな野鳥たちも粘着被害に遭い,救護センターに来ていました。
 
ホンドフクロウ                 スズメ(現在は救護の対象外です)

くれぐれも,粘着シートは屋内での使用をお願いします。

野生鳥獣救護センター よしかわ