救護センターブログブログ

2021年9月12日(日)背黒鴎(セグロカモメ)

突然,屋根に落ちてきたというセグロカモメ。
全長60cmはある大きな鳥が降って来て,ビックリされたことでしょうね。
レントゲン検査の結果,翼や足に骨折は見られなかったものの,立つことができず,飛べませんでした。

セグロカモメは海辺に生息する冬鳥です。
いまはまだ夏の終わり。冬鳥が来るには早すぎるような…。
京都市は内陸にあります。海からは遠いけれども…。
最近は台風も嵐もなかったのに…。
なのになぜ,セグロカモメ?
もっと南へ渡る途中だったのでしょうか。
謎の多いセグロカモメの持ち込みでしたが,残念なことに翌日に亡くなりました。

解剖の結果,肝臓に損傷があり,腹腔内出血をしていました。
腰のあたりに打撲とみられる赤みもありました。
渡りの途中で事故に遭い,力尽きて落ちたのかなと思います。

秋になるにつれて,夏鳥が南へと移動し,冬鳥が北からやってきます。
渡り鳥にとって試練の始まりです。
何とか無事に目的地にたどり着いてほしいと願うばかりです。

野生鳥獣救護センター よしかわ