救護センターブログブログ
2021年8月30日(月)鳶(トビ)
8月初旬に「死にそうで動かない」と,トビが持ち込まれました。
レントゲン検査では異常がなく,骨折は見られませんでしたが,飛べませんでした。
血液検査で栄養状態が悪いことが分かりました。
エサを食べ,注射も頑張った結果,元気を取り戻し,数日後には野生に帰りました。
放野できるかどうかは,まず救護センターの室内で試してみます。
飛べそうなら,さらに広い部屋で飛ばしてみます。
このトビは,救護センターの室内でふわっと飛び上がって羽ばたきました。
すぐに壁に行き当たって床に降りたので,近くに寄ったら,こんな姿になりました。
死んでる?!
体をペタッと地面につけ,頭も下げてじっとしています。
これはトビの処世術です。身の危険を感じると,死んだふりをする習性があります。
しんどくて死にそうなのか,死んだふりをしているだけなのか,見たら大体わかりますが,紛らわしいですね。
トビは身近にいる鳥だからか,憧れの眼差しを向けられることは少ないですが,カッコいい大型のタカの仲間です。
大空を舞うように滑空する姿は惚れ惚れします。
トビは目がいいので,遥か上空からでもパンやおやつを見つけると,ロックオンしがちです。
餌付けをする人がいるので,「パンは美味しい,油断している人はさほど怖くない」と覚えるようになってしまったのです。
本当は人の物を取るような鳥じゃないのに。
そういえば,「トビにパンを取られたときに指をケガして…。破傷風とかにならないでしょうか」という問い合わせもありました。あぁ,トビさんたら,何てことを…。
もうこれ以上,トビを悪い鳥にしてほしくないので,餌付けは絶対にやめてくださいね。
野生鳥獣救護センター よしかわ