救護センターブログブログ

2021年6月19日(土)山翡翠(ヤマセミ)


ヤマセミ。
カワセミやアカショウビンと同じく,ブッポウソウ目カワセミ科に分類される鳥で,「渓流の貴公子」と呼ばれています。
山の奥深く,河川の源流あたりに生息しているので,なかなかお目にかかれない鳥です。
京都府のレッドデータブック2021年版では絶滅危惧種に指定されています。

そんなヤマセミが4月に四条烏丸で保護され,救護センターに来ました。
四条烏丸は,大阪でいえば堂島,東京では丸の内のようなビジネス街です。
都心で見つかることなどあり得ないのですが,ビルの敷地内でカラスに突かれていたそうです。おそらく何かにぶつかってフラフラしていたところを,カラスに狙われたのだろうと思われます。

ヤマセミは図鑑でしか見たことがなく,本物を初めて見たときは,ハトぐらいの大きさに「でかっ!」と驚きました。


存在感があり,本当に美しい鳥です。
背中や翼は白黒のまだら模様。オスなので,顎のあたりに渋いオレンジ色が入っています。
ツンツンに立った冠羽がロックスターみたいで,カッコいい!
密かにロッドと呼んでいます。

ヤマセミのエサは主に魚です。
活け魚を入手できるまでは,冷凍のマメアジを与えました。
くちばしをこじ開けて,マメアジを喉の奥に突っ込みます。

(以下,妄想劇場)

ロッド : 何すんねん!
わたし : 食べたことないとは思うけど,まあ,これも魚やから…
ロッド : これ,イワナちゃうやんか! アマゴともちゃうし!
わたし : まあまあ,哲学者のソクラテスも「生きるために食べよ」って言うてはるし
ロッド : うぐぐ…

その後,金魚が入荷したので,マメアジも一緒に水鉢に入れてみたら,自分で食べるようになっていました (*´▽`*)
スゴイ! さすが! スーパースターはやっぱり違うね♪

食後には大きなペリットが転がっていました。

見事に骨が組み合わさっています。
アート作品のようにも見える出来栄えに,毎回,惚れ惚れしています。


このペリットはとても繊細なので,すぐに崩れますが,こんなにも骨が入っていました。小骨も消化しないのですね。

ヤマセミは現在も野生復帰を目指してリハビリ中です。

野生鳥獣救護センター よしかわ