救護センターブログブログ

2021年3月10日(水)目白(メジロ)

年中いるけれど,春が待ち遠しい頃に出会うと嬉しい鳥と言えば,
メジロでしょうか。
蜜を求めて梅の花から花へ忙しく飛び回る姿は愛らしく,絵になります。
実にフォトジェニックな鳥です。

街中でもよく見かけるので,人の暮らしの中でケガをして傷つくことも多く,
窓ガラスにぶつかり,救護センターに持ち込まれるケースが目立ちます。
1月の終わりに来たメジロは,ネズミ捕り粘着シートに張り付いたところを保護されました。

細心の注意を払って処置しましたが,風切羽の一部と尾羽,お腹の羽がごっそり抜けていました (>_<)
 地肌が丸見え…

尾羽がなくても飛ぶことはできますが,尾羽にはブレーキや方向転換の役割があります。
お腹の羽がないと体温が保てず,冬には凍え死んでしまいます。
ちゃんと飛べる状態ではなかったので,羽が生えるまで保護することにしました。

羽が生えるためのエネルギーが必要だったからか,このメジロは大食漢でした。
すりおろしリンゴの入ったすり餌やバナナの上にコオロギの内臓をのせると,
食べる食べる。
オレンジもキレイに皮だけ残して食べていました。

メジロは「チィ~」とよく鳴いていましたが,私には「お腹すいた。ごはん,まだぁ?」と催促されているような気がしたものです。
様子を見に行くと,コオロギを食べ尽くしていたので,本当に催促していたのかもしれません (^-^)

尾羽が生え揃い,お腹の羽も生えてきたので,無事に放野することができました。
保護してから,かれこれ1か月以上が経っていました。


今頃は花の蜜を満喫しているのでしょうか。
救護センターの近くで「チィ~」というメジロの声を聞くたびに,あの子がお腹をすかせて来たのだろうかと,そんなはずはないのに思ってしまう今日この頃です。

可愛い小鳥たちがケガをしないよう,窓にはカーテンを,ネズミ捕り粘着シートは屋内使用を,よろしくお願いします。

                                 救護センター担当 吉川