救護センターブログブログ

2021年3月1日(月)緋連雀(ヒレンジャク)


ヒレンジャクです。
うずくまっていたところを保護されました。
おそらく何かにぶつかったのでしょう。衝突の程度によって,数時間の安静で放野できる場合もあれば,救護センターに到着するまでに息絶える場合もあります。
この子は外傷はなかったものの,数日たっても,あまり飛べないままでした。

ヒレンジャクは冬の渡り鳥です。日本に来ている間は,ヤドリギの実や様々な実を食べ,繁殖地のアムール川流域に戻ると昆虫を食べます。
ということで,リンゴ,バナナ,オレンジ,コオロギ,ミルワームを用意したら,ペロリと平らげました。
食べつけない餌を頑なに拒む野鳥が多い中,食欲旺盛はありがたいです。
園内で調達したナンテンやホソバヒイラギナンテンの実も,お気に召したようでした。
 
左:ナンテン 右:ホソバヒイラギナンテン

広いケージに移してからは,日を追うごとに飛べるようになり,無事に放野することができました。
ヒレンジャクは集団でやって来ては一気に木の実を食べ尽くし,次の木の実を求めて去っていく鳥なので,どこかで仲間と合流できていればいいなぁと思います。

ヒレンジャクの集団はこんな感じです。

2013年には動物園にもやってきました。

ヒレンジャクと言えば,去年の春にフェネック舎に入り込み,大騒ぎしたことも記憶に新しいですね。
その時の子が下の写真の左で,救護センターに来た子が右です。
 
微妙な違いがあるのですが,分かりますか?

翼の初列風切羽の白い模様が,ちょっとだけ違います。
白いL字に赤ポチがあるのがオス,白い線だけのがメスとされています。
厳密に雌雄を見分けるには,喉元の黒い部分の境目がくっきりしているかどうかで判断するそうですが,羽の美しさばかりに目がいって,喉元がどんな感じだったか思い出せないです (;^ω^)

                              救護センター担当 吉川