救護センターブログブログ
2020年8月4日(火)7月の救護センター
7月は久しぶりに哺乳類の持ち込みがありました。
交通事故に遭ったと思われるチョウセンイタチです。
(参考写真・幼獣)
チョウセンイタチの持ち込みは年に1頭あるかないかぐらいの頻度ですが
そのほとんどが翌日あるいは数日後に亡くなっています。
このことは,人に捕まるチョウセンイタチはたいてい重体,ということを物語っているように思えます。
このチョウセンイタチもやはり重体で,頭を激しく打ったのか神経症状がひどく,転げまわっていました。
ドッグケージの中で体をよじって壁にぶつかる音が,絶え間なく聞こえてきます。
何とかしてあげたいけれど,薬剤を投与しても改善せず,2日後には亡くなっていました。
カッコウも持ち込まれました。
一目見て,「これは…」と言葉を失いました。
口を開けて横たわり,ギリギリ生きているという感じでした。
胸にある竜骨がくっきりわかるほど筋肉がそげて痩せこけていて,翌日に亡くなりました。
アオサギも来ました。
体羽が灰色なので,幼鳥から若鳥ぐらいの年齢だと思われます。
目だった外傷はなかったものの,おそらく上手くエサを捕れず衰弱していったようで,非常に厳しい状況と感じました。
ガリガリに痩せて,立ち上がることもできず,翌朝に亡くなっていました。
重篤な状態の鳥獣が持ち込まれたとき,一縷の望みをかけて治療を続けるのか,経験値から安楽死を選択するのか,獣医も救護員も悩みます。
1頭と2羽だけの持ち込みでしたが,いろいろと考えさせられた7月でした。
救護センター担当 吉川