救護センターブログブログ

2020年5月31日(日)巣立ちビナのお問い合わせ

5月に入り,巣立ちヒナに関する電話が多くなってきました。

庭にいたので,箱に入れて置いている…
借りている駐車場にヒナがいる…
雨が降ってきたので思わず連れて帰った…
ずっとそばで様子を見ているが,親鳥が来ない…

ヒナを見つけたときに,どうしたらよいか問い合わせてくださって,
ありがとうございました。
もし何日も自宅でヒナを預かった後ならば,親鳥とヒナは生き別れになり,
縁が絶たれてしまったことでしょう。
すぐにご相談いただいたので,親鳥たちも胸をなでおろしていると思います。

道ばたでじっとしている,翼をパタパタするだけ,少ししか飛べない,そんなヒナたちは勢い余って巣から飛び出したものの,まだ十分に飛べるほどではなかった慌てん坊さんです。
ヒナは飛べるようになるまでの数日を地上で過ごし,
その間は親鳥がエサを与えにやってきます。

ヒナのそばには親鳥がいる可能性が高いので,
ヒナを見つけたら,何もしないですぐにその場を立去ることが大切です。

運悪く,他の動物に狙われることもあります。
しかしそれは,自然界で起こる弱肉強食の世界での日常です。
人間の世界とは違い,か弱きものを助けることが良いこととはなりません。

無垢なヒナが愛おしくて,可哀想で,どうしても見過ごせないときは
近くの植え込みや物陰にヒナを隠してあげてください。

 

親鳥は必死になって我が子を探しています。
ヒナを家に連れて帰ってしまうと,誘拐したことになってしまいます。
親鳥とヒナが再び出会えるよう,「善意の無視」で見守ってあげてください。


皆様の愛情のこもったご協力をお願いします。

                             救護センター担当 吉川