救護センターブログブログ
2020年4月12日(日)鳥って不思議4 ペリット
鳥には歯がなく,エサを嘴でついばむと,そのまま飲み込みます。
胃は二つあり,エサは前胃(ぜんい)で分泌される消化液で分解され,
筋胃(きんい)の分厚い筋肉ですり潰されます。
消化されなかったものは,塊にまとめられ,口から吐き出されます。
これをペリットといい,エサを食べてから,およそ10時間前後で吐き出されます。
これはハヤブサがマウスを食べた翌日に吐き出したペリットです。
マウスの毛がフェルト状にギュッと固まり,水をかけたぐらいでは崩れません。
ペリットの中にはマウスの骨や歯,ヒゲが入っていました。
ハヤブサは消化液が強いので,骨はあまり多くありませんが
マウスのヒゲが入っていたのには驚きました。
ハヤブサの消化液は,毛にはあまり効かないのでしょうか。謎です。
これはホンドフクロウがマウスを食べた翌日に出したペリットです。
少量の水を垂らしただけで,ホロホロとペリットが崩れ,骨や歯がザックザクと
出てきました。
ハヤブサのペリットと比べると,毛は少なく骨は多く,面白い結果となりました。
アカショウビンのペリットです。
コオロギとミルワームと金魚をエサにしていたので,外皮やウロコなどが
一塊になって出てきました。
カワセミのペリットです。左の黒いものはコオロギを食べた時のもので,
コオロギの足や外皮などが入っています。
右の白いものは魚を食べた時のもので,ウロコや骨が入っています。
ペリットは骨,爪,歯,毛,羽毛,ウロコ,昆虫の外皮や足,植物の種などでできています。
ペリットを出すことは,消化を早め体重を軽くするだけでなく,
食道をキレイに掃除する役目もあると言われています。
救護センタースタッフ 吉川