救護センターブログブログ

2019年11月9日(土)野鳥を測定

野鳥に詳しい人でも,見分けることが難しいとされるのが
ウグイス,ヤブサメ,メボソムシクイ,センダイムシクイです。
どれも同じ顔に見えます。
鳴き声は,ウグイス「ホーホケキョ」, ヤブサメ「シシシシ」, メボソムシクイ「ゼニトリ,ゼニトリ」, センダイムシクイ「チヨチヨビー」と個性的なのに…。


この鳥も悩みに悩みました。
三人寄れば文殊の知恵というのに,烏合の衆だったのか,「足の色が違うよね」
「そもそも日本にはいないし」 「大きさが違う」 「それは夏鳥やし」と,
喧々囂々で決まらず…。
名前がはっきりしないまま鳥が亡くなったので,各部のサイズを測り,
とても野鳥に詳しい先生に同定をお願いしました。
結果は,足が黒っぽいけれど,ウグイスでした。

鳥が持ち込まれたときに体重は量りますが,バタつく鳥の体のサイズを一人で測るのは至難の業なので,亡くなった時に必要に応じて測っています。

*全長*

図鑑によく載っている全長(ぜんちょう)は,鳥の嘴の先から尾羽の先までの長さです。L(length)で表されることもあります。

エナガの全長は14センチ。スズメと同じ全長ですが,体はずいぶんと小柄です。
 
尾羽や嘴が長い鳥だと,体が小さくても全長が大きくなってしまうので,鳥の特徴を覚えておくと良いですね。

*翼開長*

翼開長(よくかいちょう)は,鳥が両翼を広げたときの左翼の先から右翼の先までの長さです。W(wingspan)で表されることもあります。

*翼長*

翼長(よくちょう)は,たたんだ翼の長さです。人の手首に当たる翼角(よくかく)から翼の先までの長さになります。

*尾長*

尾長(びちょう)は尾羽の付け根から先までの長さです。

*嘴峰長*

嘴峰長(しほうちょう)は嘴の付け根から先までの長さです。

ハヤブサのように蝋膜(ろうまく)がある鳥は,蝋膜を除いた長さになります。

蝋膜とは上嘴の付け根にある肉質のもので,ハヤブサでいうと黄色っぽい部分です。蝋膜には鼻孔が開いています。

*跗蹠長*

跗蹠長(ふしょちょう)は,鳥のかかとから足指の付け根までの長さです。
膝のように見えるのに >の形に曲がるところが,踵(かかと)です。
膝ではなく踵なので,跗蹠は人でいうと足の甲に当たります。
ということは,鳥はいつもつま先立ちしているんです。すごい!

野鳥を計測する機会はなかなかないですが,全長とか翼開長とかの用語を覚えておくと,いつか役に立つことがあるかもしれません。

                               救護センタースタッフ 吉川