救護センターブログブログ

2019年10月4日(金)カワセミ話

渓流の宝石と称されるカワセミが,相次いで保護されました。

カワセミは人が用意したエサを食べない,救護センター泣かせの鳥です。
「死んでも食べるものか!」とばかりに,エサを無視し続けます。

ところが今回は,ちょっとした異変がありました。
先に来たカワセミは,到着したその日から,金魚もコオロギもミルワームも食べたのです。
 食いしん坊♪

後から来たカワセミはというと,案の定,エサを食べませんでした。
何とか金魚を飲み込ませようとしましたが,うまくいかず…。
そこで思いついたのが,金魚の切り身です。

ウロコとヒレを取り除き,食べさせやすい一口大に切り分けました。
コオロギも足を取って,食べやすくしました。

口を大きくこじ開けて,気管を確認しながら,切り身を喉の奥へと押し込みます。
吐き出さないよう首をさすり,喉に残っていないか確認してから,また一切れ。
これだけ強制的に食べさせられたら,かなりのストレスになることでしょうね。
だけど,このまま手をこまねいて餓死させたくないのです。

でも,何かもっとストレスの少なそうな方法はないのだろうか。

過去の給餌例を調べると,「怒って口を開けた時にモロコを入れる」という方法が見つかりました。
こじ開けるよりは,怒らせて口を開けさせる方がはるかにマシです。
モロコは調達できなかったので,金魚で代用してみることにしました。

カワセミが口を開けたときに,すかさず金魚を入れると,
すぐに口を閉じて金魚をくわえた状態になりました。
やった~!と思ったのも束の間,金魚をペッと吐き捨ててるやん!
金魚を拾ってまた口に入れると,また吐き捨て…。これを繰り返すこと数回,
ついに根負けしたカワセミは金魚を嘴にくわえたままになりました。

                   参考写真。こんな感じです。

後で様子を見に行くと,ちゃんと金魚を食べていました。
この「怒らせ作戦」を2回おこなったら,金魚は食べても大丈夫と判断したのか,
自分で金魚を食べるようになっていました。


ペリットも出していたので,とりあえず一安心です。
食べることは生きること。カワセミちゃんたち,頑張ってね!

                               救護センタースタッフ 吉川