救護センターブログブログ
2019年8月29日(木)厄介物だったけど…
園芸の厄介物といえば,植えてもいないのに,いつの間にか
はびこっている蔓植物。
はびこるを漢字で書くと「蔓延る」だから,
蔓が延びて幅を利かせるのは当たり前かもしれません (;^ω^)
蔓を取れども取れども絡んでくるクズ,ヘクソカズラ,ヤブガラシは,
困ったちゃんの代表格です。
救護センターの東側フェンスでも,お互いが絡み合っています。
とりわけクズ(マメ科)は,夏の日差しを浴びて蔓がぐんぐん勢いを増し,
手当たり次第に樹木に巻き付き,でっかい葉っぱで日光を独占します。
クズの葉は3つセットで1枚の三出複葉。大人の手のひらよりも大きいです。
気がつけば,クズはツツジの上に乗っかって覆いかぶさり,
ソヨゴの枝にも絡んで垂れ下がり,やりたい放題!
赤い実がなるソヨゴは,救護センターにとっては大事なエサの供給源。
ソヨゴを守るために何とかしようと,蔓を刈り取って捨てていたのですが,
「捨てればゴミ,使えば資源」だったと分かりました。
クズはアカゲザルがまあまあ好きな草だったのです。
チンパンジーもゴリラもクズを食べるそうですよ。
クズは,殺虫剤も除草剤も使わないエリアにあるので,安心安全♪
私の中でクズは厄介物から有用植物に昇格しました。
もともとクズは薬用植物で,根や花蕾は漢方薬に,根からとるデンプンは葛粉に,蔓の繊維を紡いで葛布を織ったり,木質化した蔓でカゴを編んだりと,
多くの用途で活用されていました。
花もキレイだし,繁殖力があそこまで旺盛でなければ,
もっと好かれていたかもしれないですね。一応,秋の七草ですし。
ついでにヘクソカズラ(アカネ科)は可愛い花が咲くのに,
超絶ヒドイ名前が付けられています。
屁糞カズラ…。
確かに葉や実はいい香りとは言えないけれど,屁と糞って。
ヤブガラシ(ブドウ科)は,ヤブをも枯らすほど覆いつくすので名付けられたのですが,花は可憐です。
根は漢方薬に利用されています。
救護センタースタッフ 吉川