救護センターブログブログ
2019年7月1日(月)花だより 16 ツユクサ
コゲラ
「梅雨の頃から咲くけど,梅雨草じゃなくて,露草!」
京都の森にある救護センター掲示板周りに限定した植物紹介です。
小さな草花を中心にお届けします。
ツユクサ(ツユクサ科)
ツユクサがぽつぽつと咲きだしました。
早朝に咲き,昼には花を閉じる,はかなげな可愛い花です。
でも,愛らしい見た目に惑わされてはいけません。
裏には黒い陰謀が隠されているのですから。←いや,そこまでではない。
鮮やかな青い花びらに浮かび上がる,黄色い小花のような雄しべ。
だけど,ここに花粉はありません。
花粉たっぷりに見せかけて,虫を呼び寄せます。
まさに誇大広告というか,ワナというか,怪しげな店の看板にも似た手法です。
花が咲いている半日の間に,虫を誘い込まないといけないのだから,
よく練った作戦ですね。
でも,もし虫が来なかったらツユクサはどうなるの?
な~んて心配はご無用。ツユクサに抜かりはありません。
花を閉じるときに,雄しべと雌しべはくるくると巻き込まれ,自家受粉します。
念には念を!の姿勢,あっぱれです。
さらにしたたかなのは,茎が伸びると節に根が生え,さらに広がっていくことです。
どれだけはびこるつもりなのか,油断も隙もありゃしないですが,
ツユクサの生き抜く戦略には,なぜか学ぶことが多いなぁと思ってしまいます。
こうやってツユクサは,はかなげな雰囲気を醸しながら
したたかに,たくましく,秋まで咲き続けます。
救護センタースタッフ 吉川