救護センターブログブログ
2019年4月12日(金)ヒナを拾わないで!
桜の開花とともに,ツバメの飛び交う姿を目にする機会が多くなりました。
先日も「地面でじっとしているツバメが園内にいる」と連絡を受け,
救護センターで保護しました。
幸いなことに,ツバメは夕方には元気を取り戻し,空高く飛び去って行きました。
今頃は伴侶を見つけて,巣づくりを始めているかな。
5月になれば,ヒナに関する問い合わせが増えてきます。
ヒナは一緒に生まれた兄弟であっても,生まれた時からライバル。
し烈な生存競争が始まっています。
親ツバメがエサを運んで来るや,
ヒナたちは我先にと大きな口を開けて身を乗り出し
「こっち,こっち!私にちょーだい!ちょーだい!」と訴えます。
兄弟が多すぎる場合,体の小さな子がエサの争奪戦に負け
押し出されて落ちてしまいます。
まだ羽が生えそろっていないヒナならば
エサを与えてお腹いっぱいにさせてから戻してあげてください。
ミルワームやコオロギがなければ,
ドッグフードやキャットフードをふやかしたものでも大丈夫です。
何度戻しても落ちてくる場合は,
巣のすぐ近くに巣の代用品を設置し,落ちたヒナを入れてみてください。
もしかしたら親ツバメが気づいて,落ちビナにもエサを運ぶかもしれません。
これは巣が崩壊したときに,実際に使ったものです。
ヒナが成長すると,その重みで巣が壊れることが稀にあります。
巣の代用品はザル,カップ麺の容器,菓子箱などで作ることができます。
設置場所は,壊れた巣の近くで,雨のかからない所です。
これはヒナが飛び立てるようになるまでの,一時的な応急処置になります。
カップ麺の容器
ヒナを育てることができるのは親鳥だけです。
親鳥や巣が見当たらないからと,人が育ててはいけません。
ヒナは親鳥から,生きていくうえで必要なことや大切なことを教わり学びます。
巣に戻せないヒナは決して拾わないでください。
ご理解とご協力をお願いします。
救護センタースタッフ 吉川