救護センターブログブログ
2019年2月2日(土)そばにいるよ イノシシ
京都の森にある救護センター掲示板では
京都市内で見ることのできる野生動物を随時,紹介しています。
今回は,イノシシです。
お正月から一か月ほどが経ち,もう旧正月になりそうな頃ですが,
今年の干支,イノシシについてです。
イノシシは牙や大きな鼻がトレードマークです。
体長は1mを超え,体重は100kg近くありますが,実は警戒心が強い動物です。
イノシシは雑食性で鋭い嗅覚で食べ物を見つけ,鼻で地面を掘り起こして,
イモなどの植物の根や地下茎を食べます。
また,ドングリなどの木の実や,春にはタケノコを好んで食べます。
生後4か月ほどまでは体の背中部分が縞模様になっており,
瓜に似ていることから“ウリ坊”と呼ばれています。
また,「のたうつ」という言葉はよく知られていると思いますが,
実はイノシシが語源だと言われています。
イノシシはダニなどの寄生虫が体に着くことを予防するために
泥場“ぬた場”で泥浴びをよく行います。
この“ぬた場”でイノシシが泥浴びのために転げまわるところから
「ぬたをうつ」→「のたうつ」と変化し,
苦しみ転げまわることを「のたうつ」というようになったと言われています。
近年は京都の市街地でも相次いで出没しています。
この原因として,イノシシの個体数が増加し,本来の生息地である山や森から
市街地に流出していると考えられています。
もしイノシシに遭遇しても慌てず,静かにその場を離れ,
イノシシを刺激しないようにすることが大切です。
また,イノシシは野生動物ですので,ウリ坊がかわいくても
餌やりはしないようにお願いいたします。
動物園だより187号には「イノシシとのつきあい方」が掲載されていますので
ぜひご覧ください。
近年は人間との関係が問題となるイノシシですが,干支になっていたり,
言葉の語源になっていたりと古くから日本人になじみの深い動物なのですね。
救護スタッフ 井上