救護センターブログブログ

2018年11月12日(月)青葉木菟

少しずつ秋の深まりを感じる頃でも,夏鳥が持ち込まれることがあります。
アオバズクが来た時も,もう秋でした。

「まだ,おったん?!」と声を掛けたら,

  「まだ,おってん。ほんでな,事故におうてん」
   (まだいました。そして事故に遭いました)

瞳孔の反応が鈍かったり
貧血の疑いで調べた血液から,寄生虫が見つかったり
なかなか飛ぼうとしなかったり
放野までは時間がかかりそうでした。もう秋なのに。

自分でエサを食べないので,差し餌をすることに。
アオバズクはなぜかロールダンスのように,体をグルグル回します。
 
それに合わせて,エサを持つ手もグルグル回し,
口を開けたときにエサを差し込みます。

止まり木にも止まらず,すみっこにチョコンといてばかり。
何とか枝に止まってもらいたくて,アオキの枝葉で梢のような感じにしたら
枝に止まってくれました。
 嬉しい光景です♪

飼育員さんからは「寒いと死んでまうで」とアドバイスを受け
過保護すぎるかなと思いながらも,夜間の室温を調整。

やがて旋回して飛べるようになったので,
野鳥に詳しい方にもアドバイスをいただき
「例年なら無理だけど,今年は暖かい日が続いているから,
今日明日がラストチャンス」とのことで,急きょ園内で放野することにしました。

アオバズクを手に乗せると,勢いよく羽ばたき
星が瞬きはじめた夜空へと姿を消しました。
無事に南の国へたどり着けていますように。

                              救護センタースタッフ 吉川