救護センターブログブログ
2018年10月27日(土)白千鳥
シロチドリが救護センターに来ていました。
交通事故に遭い,2日ほど保護されていましたが,エサを食べないので
救護センターに持ち込まれました。
外傷はなかったものの,立つことができず,へなへなと座り込んだ状態でした。
ヘロヘロ~
神経症状がなくて,へたり込んだ鳥を見るといつも
顔が汚れて力が抜けるパン工場の従業員を思い出します。
「顔がよご,いや,お腹が空いて力が出ないよ~」
お腹がいっぱいになれば,この子は元気百倍! きっと助かるはず。
消化が良くて高タンパクな流動食を与えると
その日のうちに寄りかかって立てるようになりました。
フンがくっついてお尻(総排泄口)が汚れています(>_<)
自分でエサを食べるようになると,まっすぐ立てる,数歩歩いてすぐこける,
よろめきながら歩く,右に左にふらふらと歩く(まさに酔っ払いの千鳥足!),
割とスムーズに歩ける,と日に日に目覚ましい回復を見せました。
ここまで来ればあとはもう,
放野に向けて砂地のケージで自主トレに励んでもらうのみ♪
テテテテと歩いてピタリと止まり,しゃっくりみたいに体を上下に揺らして,
またテテテテと歩く。
シロチドリが歩く様子を見ていても,飽きることはないですね。
シャキーン!
元気を取り戻したシロチドリは,無事に放野の日を迎えました。
シロチドリは京都府のレッドデータブックでは絶滅危惧種になっています。
留鳥として一年中,京都府内でも生息しているものの,個体数は少なく,
近年は減少していると報告されています。
このシロチドリが生き延びて,
次の世代へと命をつなげてくれればと願っています。
救護センタースタッフ 吉川