救護センターブログブログ
2018年1月10日(水)みんなちがってみんないい
私たち人間と鳥類には多くのちがいがあります。
鳥類は全身が羽毛で覆われていますし,
緑色の羽毛が特徴のアオバト
種によって異なった形のくちばしを持ちます。
魚を捕食するため,細く長いダイサギのくちばし
木の実を好むイカルのくちばしは大きくて頑丈
翼があるので,ほとんどの鳥類は空を飛ぶことができます。
見た目だけではなく,
体の内部の構造も人と違う部分があることを知っていましたか?
実は私たち人間は1つしか胃を持ちませんが,
多くの鳥類は2つの胃を持つのです!
1つ目は「前胃(腺胃)」です。
ここでは人間と同じように消化液によって食物の消化を行います。
その後,食物は2つ目の「砂嚢(筋胃)」へと入っていきます。
人は食べ物を食べるときに口の中で咀嚼しますが,鳥類は丸飲みです。
強力な筋肉を備えた器官で,
飲み込んだ小石や砂で固い食物でもすり潰し,細かくすることができます。
救護センターでは野鳥が死亡した際,
原因を把握するために解剖を行うことがあります。
12月に死亡したトラツグミを解剖してみたところ,
「砂嚢」の中からこんなものが出てきました。
調べてみたところ,「シロダモ」という植物の種と茎だということがわかりました。
おそらくシロダモの実を茎ごと飲み込み,実だけが消化され,
種と茎が残ったのだと思われます。
強力な胃でもつぶされない固い種子のおかげで,
シロダモは子孫を残せるのですね。
せっかくなので,この実を植えて育ててみることにしました。
立派な実がなったら,救護センターの鳥たちに与えてみたいと思います。
救護スタッフ アベ