救護センターブログブログ

2017年10月11日(水)鳥も花もホトトギス

ホトトギスと聞いて思い浮かぶのは,鳥でしょうか?
それとも花でしょうか?

鳥のホトトギスはカッコウの仲間で,5月中旬に渡ってきます。
ちょうど田植えが始まる頃に「天辺かけたか」と鳴き声が聞こえてくるので
田植えを促す鳥,田長鳥(たおさどり)と呼ばれることもあります。
不如帰,杜鵑,時鳥,子規と漢字の表記も,異名も多い鳥です。

南方へ帰ろうとしていたこの時期に
ホトトギスは保護されて救護センターに来ましたが,
残念ながらその日のうちに亡くなりました。
鳴き声はよく聞くものの,あまり見かけることのない鳥なので
羽の標本をつくりました。
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ホトトギスは口の中が真っ赤です。まるで血を吐いたように見えます。
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このことから,結核を患って喀血した正岡子規は,雅号を「子規」にしたそうです。

この赤色は,ホトトギスが生きていくための知恵なのかもしれません。
ホトトギスは托卵する鳥です。
ウグイスなどの巣に卵を産み,仮の親鳥に育ててもらいます。
自分の倍以上も大きく育ってきたホトトギスのヒナを見れば,
仮親鳥もそろそろ「うちの子と違う!」と気づいてもよさそうなものですが,
口の中の赤い色を見せられると,「エサを食べさせねば」と思ってしまうようです。
赤色,恐るべし(^_^;)

ホトトギスが巣立ったあと
夏から初秋にかけて,山では花のホトトギスが咲きます。
ユリ科のヤマジノホトトギスです。
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白い花びらについた赤紫色の斑点が
鳥のホトトギスの胸の模様に似ているところから
名前が付けられました。

園芸種のホトトギスは秋の花で,次々と咲き始めています。
京都の森にもありますので,「ホトトギスの胸の羽ってこんな感じなのか~」と
見てもらえたら嬉しいです。
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花のホトトギス            鳥のホトトギス

          救護センタースタッフ 吉川