救護センターブログブログ
2017年9月26日(火)秋の夜長の昔話
先日,9月6日のブログ『Oh my god! 』で紹介したカルガモ2羽を放野しました。
カルガモがちゃんと水かきを動かせるようになっているか
毎日こっそり覗いていたので,足で思い出したことがありました。
むか~し,むかし。といってもそんなに昔ではない昔。
こんな足をした鳥が来ました。
その足を見たときに
「なんじゃこりゃあ」と叫びそうになりました。
ジーパンをはいた刑事でもないのに。
それはカンムリカイツブリの足でした。
水鳥だからてっきりカモのような水かき(蹼足:ぼくそく)だと思っていたのに
まさかこんな形をしていたなんて。
指の一本一本のぐるりに
木の葉のような形をしたびらびらの水かき(弁膜)が付いています。
こういう形をした足指を弁足(べんそく)といいます。
扁平でペタンとしています。
水鳥は泳ぐときに,水中で足を前後に動かしながら
水かきを閉じたり開いたりしますが,
ビラビラの弁膜では開閉ができないので
弁足ならではの工夫があります。
水を掻き出すときはそのままに
前へ動かすときは足を90度ひねり
水の抵抗を受ける面を少なくして,足を前へ出すのです。
足の位置も「なんじゃこりゃあ」です。
水に潜ってエサをとるので
潜りやすいように足が体のかなり後方に付いています。
歩きにくいので,めったに陸には上がりません。
2013年に保護されたカンムリカイツブリ。足の位置に注目!
「なんじゃこりゃあ」と驚いたカンムリカイツブリは亡くなってしまったのですが
体のしくみや生態などをブログで紹介することで
鳥への興味や関心を持ってもらえたらと思います。
救護センタースタッフ 吉川