救護センターブログブログ
2017年8月10日(木)カルガモ,新天地へ
5月22日のブログ『だ~れだ?』で紹介したカルガモのその後です。
一部,粉砕骨折していた右翼の尺骨にピンを入れ,仮骨が形成されました。
しかし,翼を伸ばす伸展のリハビリをしても,右翼が下がったままになり
羽の先を地面に引きずるようになっていたので,やむなく中手骨を断翼しました。
推力をつかさどる初列風切羽は中手骨から生えているので
もう空を飛ぶことはできなくなりました。
カルガモの野生復帰は叶わず
動物園の京都の森エリアにある水禽舎で飼育展示されることになりました。
糞便検査,ダニの駆除,健康状態のチェックなどを経て動物園に移され
8月下旬に水禽舎デビューの予定です。
現在,水禽舎には救護センター出身の先輩水鳥がいます。
マガモ,コガモ,ホシハジロ,ユリカモメの面々です。
コガモ先輩
ホシハジロ先輩
水鳥なので,ぷっくりした愛らしい姿に目を奪われがちですが
よく見ると骨折の影響で左右の羽のバランスが悪く
どちらかの羽が下がっている場合があります。
骨折の原因は様々です。建物にぶつかったり,動物に襲われたり,
中には釣り糸に絡まって翼が壊死してしまった鳥もいます。
人の所業で傷つき苦しんだ水鳥たちも,心ある人々の手によって助けられ
今日の姿があります。
どの子も野生に戻ることはできなかったけれど
水禽舎で穏やかに余生を送ってくれたらと思います。
救護センタースタッフ 吉川