救護センターブログブログ
2016年8月26日(金)ミゾゴイがきました
5年ぶりの持ち込みです。
京都府では絶滅寸前種(環境省のカテゴリーでは絶滅危惧Ⅱ類)
とされており,著しく数が減っている種です。
春先に南の方から,繁殖のために日本に渡ってくる夏鳥で,
他のサギ類とは違い,開けた場所ではなく,主に暗い林の中で生活しています。
夜行性で人目につくようなところへは出ないため
救護されることも少ないです。
救護センターには今までに4件の持ち込みがありますが
今回の持ち込み含め,全てガリガリにやせ細り弱っていたところを
保護されています。
個体数が減少している要因として,
越冬地や渡りの中継地となる東南アジアにおける森林の減少や,
日本における繁殖が可能な環境の減少などが考えられていますが,
ミミズなどの土壌生物をはじめとする小型の動物を採食し,
その食物網の上位に位置しているため,
このような餌や餌場も減少しているのかもしれません。
ミゾゴイが生息することは,その地域の生物の豊かさを
示していることにもなります。
今回は残念ながら,治療の甲斐なく亡くなってしまいました。
そんなミゾゴイですが,他の鳥に比べ身体が少し変わっていて
観察してみると面白いです(^^)
サギ科の鳥のからだには粉綿羽(ふんめんう)という
羽毛があり,この羽根の毛の先はぼろぼろとくずれて
粉になります。
胸部と・・・
腹部にあります。
この粉をつけて羽づくろいすることで,
羽を防水する効果があるようです。
またこの粉を羽につける時に使うとされているのが
櫛爪(くしづめ)です。
両足とも真ん中の指の内側だけ,櫛状になっています。
写真で見ることはあっても
実際に実物を見れることは中々ないので,
今回亡くなったミゾゴイの身体を
実習生にも見てもらう事ができ,良かったです。
救護センタースタッフ 勝見