救護センターブログブログ
2012年12月23日(日)窓ガラス衝突
動物園事務所西側の窓ガラスにクロジという鳥が衝突しました。
酸素室で安静にし,1~2時間後には回復したように見えましたが,しばらくして死んでしまいました。
その後解剖によって,脳挫傷が見られ,頭蓋骨の下に出血が見つかりました。
以前「アナグマの救護原因」で紹介しましたが,救護原因がわかる事は少なく,ほんの一部だけしかありません。
「イタチが襲っているのを見た!」「車で轢いてしまった」「ネットに絡まっていた」など,現場を目撃するような機会がないと,特定は難しいのが現状です。
今回はガラスに衝突した音で発見されました。
クロジが衝突した窓ガラスの写真です。
ブラインドは普段降ろしていますが,この日は上まで上げていました。
ブラインドが下りていたらまた違ったかもしれません。
ガラスに映った空や茂みに飛びこもうとしたのか,ガラスがあるとも気付かず通り過ぎようとしたのか,何かに追われて必死だったのか?
実際はわかりません。
近くの窓ガラスには,バードセイバーが貼ってあります。
バードセイバーとは,野鳥が窓ガラスにぶつかるのを防ぐために貼るステッカーです。
多くは肉食の鳥である猛禽類のシルエットを使い,近づかせないようにするというものです。
他の飼育員に聞いた話だと,このバードセイバーをつけるまでは,よく鳥がぶつかっていたのですが,設置してからは数が少し減った気がすると聞きました。(数えていないので感覚的なものです)
完全に事故をなくすことはできませんが,少しは効果があるかもしれません。
今回も再発防止のために新しくバードセイバーを作ることにしました。
まず,猛禽のシルエットを作るため,オオタカをモデルにイラストを作成しました。
イラストの一例
そしてステッカーの代用に,窓ガラスに貼るタイプのUVカットシートを使いました。
バードセイバーを室内につけると,ガラスが反射して外の景色を写した時,バードセイバーも一緒に見えなくなるので,外側に貼れるようにしてみました。
そして目立つように黒く塗って完成です。
窓ガラスに貼ると・・・
ん?
バードセイバーも一緒に反射して見えない!
失敗作です。
他の材料を考案しないといけませんね。
光の反射が少なく,ガラスにしっかり貼れる材料を探したいと思います。
救護センタースタッフ 森本