救護センターブログブログ
2012年12月1日(土)メボソムシクイが持ち込まれました
メボソムシクイという鳥をご存じですか?
救護センターには,毎年数件の持ち込みがあり,10月頃に集中しています。今年は,10月に入ってから2件,11月初めに1件の持ち込みがありました。
メボソムシクイは,夏鳥として本州以北と四国に渡来し,主に山地の針葉樹林帯を好んで生活しているようですが,春秋の渡り期には,日本全国の山地などにも見られます。
メボソムシクイは,ウグイスとよく似ていますが,メボソムシクイのほうが,黄緑色っぽい色をしています。ウグイスは,もっと地味な色をしています。目の上にある眉のようなライン(眉斑)がとても可愛いです。
左がメボソムシクイで,右がウグイスです。
食性は,昆虫食でアブラムシやクモを食べます。救護センターでは,鳥用のすり餌,コオロギ,ミルワームを与えます。
今年持ち込まれたメボソムシクイは,3件とも道路にうずくまっているところを保護されました。おそらく,何かにぶつかって,脳震盪を起こしてしまったのだろうと思います。
1件目と3件目は,翌日に死亡してしまいましたが,2件目は,持ち込み後しばらくすると,室内を飛び回るまで回復しました。大きな外傷もなく,すぐに放鳥できました。
人工物への衝突が原因で持ち込まれる野鳥は,とても多いです。街中で暮らす野鳥にとって,窓ガラスや車などの人工物はとても危険です。
窓ガラスに野鳥がぶつかるのを防ぐには,バードセイバーを貼ったり,カーテンやブラインドを閉めるなど,ガラスがあることをわかりやすくすることが大切です。
こちらは,救護センターの扉のバードセイバーです。バードセイバーとは,野鳥が窓ガラスにぶつからないように貼り付けるもので,天敵のタカ類やフクロウ類の形をしたものが多く用いられます。
少しでも,できることから取り組み,防ぐことができればうれしいです。
救護センタースタッフ 村上