救護センターブログブログ

2012年11月18日(日)ヤマシギが来ました

2009年以来約3年ぶりにヤマシギが持ち込まれました。

救護原因は窓ガラスにぶつかったかもしれないということでした。過去の事例でも,窓ガラスにぶつかったという原因が多いです。

   

ヤマシギは,日本では,北海道で夏鳥,中部地方以北と伊豆諸島で留鳥,それより南部で冬鳥とされています。

狩猟鳥に指定されていますが,京都府では絶滅危惧種で,狩猟が禁止されています。活動時間は,夕方から夜間が多く,林や竹やぶ,まれに公園などにもいるようです。ほぼ動物食で虫やミミズを食べます。嘴の形にも特徴がありました。

     

救護センターでは,鳥用のすり餌とミルワーム,コオロギを与えていました。しかし,全く食べてくれません。

どうしようかと悩んでいると,園内の飼育員が,ミミズを採ってきてくれました。

 

コオロギやミルワームには見向きもしなかったヤマシギですが,ミミズだけは食べてくれました。その日から,ミミズ採りが日課になりました。ヤマシギは大食漢で,1日に何十匹もミミズを食べます。1日分を採るのに1時間程かかることもあり,とても大変でした。

 

このヤマシギは,脳震盪のような症状がありましたが,ほかに怪我はなく持ち込まれた翌日にはすっかり元気になりました。そこで早急に放野することになりました。ヤマシギのように餌付けの難しい鳥は,採食量の不足やストレスなどにより,保護期間が長くなるほど衰弱させてしまうことがあるからです。

ヤマシギは,飼育情報があまりないため,少し不安でしたが,無事に自然に帰すことができ,本当に良かったです。

 救護センタースタッフ 村上