生き物・学び・研究センターブログ

2024年3月25日(月)初イベント「動物の目で森の自然観察」実施しました!

2024年3月20日に、京都市動物園で初となるイベント「動物の目で森の自然観察」を、市民グループのフィールドソサイティーと共催で実施しました
生き物・学び・研究センターで動物相の調査を行っている善気山のフィールドを参加者の方々と一緒に歩き、動物の気配を探したり、フィールド調査を体験していただいたりするイベントです。
動物園にはたくさんの野生動物が暮らしていますが、その中にはすぐ近くの森で暮らしている動物もたくさんいます。たとえば、京都市動物園の京都の森エリアに暮らす、シカやタヌキ、アナグマ、キツネなどです。
善気山ではフィールドソサイエティーと協力しながら2021年7月から調査を続けてきており、住宅街に隣接する森にたくさんの生き物が暮らしていることがわかってきました。
動物園という場を通して、野生とのつながりを感じていただくことは、動物園の大事な役割です。
ずっと前から、動物園から野生フィールドへとご案内するイベントを実施したいと思っておりましたが、このたびついに実現できました!

法然院森のセンターに集合し、さっそく森に向かうと、動物の痕跡が見つかります。
森のことをたくさん知っているフィールドソサイエティーの方々に、解説をしてもらいながら森を歩きます。

シカの足跡や、ムササビの糞、動物の食べた痕などたくさんのサインが見つかります。
意識していなければ素通りしてしまうものばかりですが、じっくり見てみると様々な生き物が暮らしている証拠がたくさん見つかります。

シカの足跡 写真左下あたりのへこんだところです。
ムササビの糞
誰が食べた?

参加者で集めた動物の痕跡!それぞれ誰が食べた痕跡か考えます。

参加者で集めてきました。

ゆっくり地面や樹上を見ながら歩いていくと、他にもたくさんの生き物が見つかりました。
これは、ツバキキンカクチャワンタケという、椿の木の下にこの時期にのみ現れるキノコです。

ツバキキンカクチャワンタケ 
傘は小さな茶色い丸型のお椀のようです

散策の最後には、フジ蔓を駆けのぼっていく、ニホンリスに会うこともできました。

森を散策した後には、法然院森のセンターのワークルームで、トレイルカメラに何が映っていたかみんなで確認しました。
夜になるとたくさんの哺乳類が現れたり、昼には季節の野鳥が現れたりする様子を、参加者で楽しみながら確認しました。野鳥は色が背景に溶け込んでいることも多く、映ってもすぐに去ってしまうので、確認するのも一苦労です。しかし、皆さん頑張って調査をしてくださいました!

ルーペでじっくり観察!
トレイルカメラに映った動物を確認!

ご参加いただいたみなさま、いつもサポートくださるフィールドソサイエティーのみなさま、そして一緒に来てくれた獣医実習生のみなさまどうもありがとうございました!

今後も野生とつながるイベントを実施していきたいと思っておりますので、ぜひご参加ください!
また、「身近な森の写真展:じつはいっぱい!こんなちかくに野生動物」は引き続き4月14日(日)まで京都市動物園で行っておりますので、ぜひお立ち寄りください。

生き物・学び・研究センター 金原・山梨