生き物・学び・研究センターブログ
2023年10月29日(日)(チンパンジーのお勉強)いつ勉強するの?
チンパンジーたちの「お勉強」のある日は、京都市動物園HPの下記ページでお知らせしています。
生き物・学び・研究センター > チンパンジーたちのお勉強
ですが、「お勉強」のある日に行っても、チンパンジーたちが勉強部屋にいない(いても、勉強しているように見えない)ことが多いのではないでしょうか。
以前のブログでもお知らせしましたが、「お勉強」の時間が始まっても、最初の10分から15分くらいは、チンパンジーたちが部屋に入ってこないことが多くなりました。
この間、どこで何をしているかというと、まず屋外運動場に出てしばらくは、運動場のいろんなところに撒(ま)かれた朝ごはんを探しているようです。
チンパンジーたちがすごす屋外グラウンドには木や草がしげっていて、小さく切った食べ物片をばらまくと、探すのに時間がかかります。これは、食べ物を「探して食べる」ことで食事の時間を延ばすための工夫として、おこなっているものです。
しかし、食べ物を探すのが一段落したように見えても、まだ勉強部屋には来ないこともあります。この日、若いニイニとロジャーは、遊びに夢中になってなかなか勉強に来てくれませんでした。
とくにこの日は、延々とニイニとロジャーの遊びが続き、チンパンジーたちの勉強が始まったのは始まって25分以上たった9時50分ごろ。終わりの時間まで10分しか残っていません。
その後、お勉強部屋への出入り口に一番近い場所にいたジェームスが、ロジャーの遊びへの誘いに乗って席を離れたすきに、タカシが場所を移り、さらに空いた席にコイコが入ってしまって、下のような配置になりました。
大人たちは勉強を始めるとそれなりに熱心にやってくれるのですが、何しろ始めたのが終了時刻の10分前。すぐに終わりの時間になってしまいました。
「お勉強」は、チンパンジーたちの退屈しのぎのためでもあるので、他にすることがあって勉強するヒマがないのは、むしろ喜ばしいことだと思っています。これからも、気が向いた個体がお勉強に来てくれるのを待っていることにします。
田中正之