生き物・学び・研究センターブログ

2023年6月30日(金)センターの日誌005 草抜きと助っ人マガモ

生き物・学び・研究センターは、動物園内にある、教育と研究を行う部署です。
このブログでは、動物園にあるけど飼育ではない、センターの業務をご紹介しています。

無事田植えが終わった京都の森の田んぼ。
しかし、それは雑草との終わりなき戦いの始まりでした。

本日の田んぼの様子。
稲の間の水面下、緑の雑草が生えているのがお分かりでしょうか。
コナギと呼ばれる雑草で、現在京都の森の田んぼを埋め尽くそうとしています。

抜きにくい雑草ではないのですが、とにかく数が多く、次から次へと生えてきます。
センターの職員が時間を見つけては草抜きをしていますが、なかなか苦戦中。

数十分作業するだけで、こんな山ができました。
かつて稲作が重労働とされた原因の一つで、現代においては、多くの場合農薬散布で対応しています。
しかしながら、京都の森は完全無農薬での田んぼづくりを行っているため、人力に頼らざるを得ないのです。
(※他にも、チェーン除草、米ぬか散布による抑制、除草機を使う方法などがあるそうです。)

除草作業をしていると、植付け直後に来てくれた助っ人を思い出します。
正確には、ヒトではなく、マガモのペアですが。

田植をしてからしばらくの間、京都の森にマガモの夫婦が頻繁に訪れていました。
泳ぎながら泥の中の虫をつついており、それに合わせて、出芽したばかりのコナギを水面に舞い上げてくれていたのです。

上の写真の中央付近、浮いている白い根がコナギ。
お尻が見えているマガモが通った後に、このような雑草が次々と浮かんでいきました。
他に、水面を覆うウキクサの仲間は、カモ類が好んで食べてくれるのだとか。

田んぼでアイガモを育てながら雑草を除草させる農法や、東南アジアで田んぼにアヒルを放す農法がありますが、もともとこのような野鳥の様子を見て思いついたのかもしれませんね。

残念ながら、このマガモの夫婦は、撮影後数日経って園内からいなくなってしまいました。
もっと長居してくれたらよかったのにと思いつつ、今日も人力除草にいそしんでいます。

土佐