生き物・学び・研究センターブログ

2023年5月18日(木)ひとりはイヤなの(チンパンジーのお勉強)

4月1日に、新年度になっても勉強を続けていることをお知らせして以来になりました。この間も、チンパンジーたちのお勉強は続いています。予定は、動物園HP「チンパンジーたちのお勉強」でお知らせしています。

さて、最近、勉強時間が始まってもしばらくはチンパンジーたちが来ないことがよくあります。そして始まって5分ほどする頃、チンパンジーの中では一番若いロジャーが最初に来ることが多いです。

ひとりで勉強部屋に入ってきたロジャー。
まず真ん中のモニターの問題をやってみる。「正解」

1問だけやって、すぐに隣のモニターに移って、また「正解」

最初は全部のモニターで、ロジャーもできる「1から6まで」の問題がセットされています。

誰も入って来ない。隣の部屋が気になるロジャー。

またモニターを移動して問題を再開。

また正解。1から6までの数字の順番を、ロジャーはほとんど覚えたようです。

またまた1問だけで、右のモニターに移り、また正解。

そして、また移動。どこでやっても、間違いません。

ようやくロジャーのお母さん、ローラが入ってきました。

でも、すぐに出ていってしまいます。それを見たロジャー。

慌てて、出ていってしまいました。

この間、2分ちょっと。

写真では伝わらないので、動画でも見られるようにしました。(京都市動物園公式YouTubeチャンネル「チンパンジーのお勉強:落ち着かないロジャー」)

ロジャーにとっては、ひとりで3台ものお勉強装置(ごほうびがもらえる装置)を独占できるチャンスなのですが、それよりも仲間のそばにいる方が大事なようです。成績を見ると、1から6までの順番はほとんどわかっているようなのですが、合格基準には問題数も必要なので、もう少し落ち着いてくれたらと願っているのですが、チンパンジーにとって、成績よりもごほうびよりも大事なものがあるようです。それを尊重して待っていることにします。


田中正之